短編
□大掃除
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今日は、大晦日。
…と、言うわけで現在大掃除中。
『リョーマ、これ何処に置いておけばいいの?』
私、冴凪蒼は居候させていただいている従兄弟のリョーマ宅を大掃除中。
「あ、蒼待って。…それこっち。」
今は、リョーマと一緒に倉庫内を掃除中。
ダンボール類が沢山あって…今日中に終わるか心配。
『よいっしょ……ここでいい?』
リョーマに確認を取り、荷物を置く。
「うん。そこに置いといて。」
どさっ…と、いかにも重そうな音が出た。
リョーマが驚いたのか目を見開き、私を見る。
「…ぇ…それ、重かった?」
………リョーマさん、何が言いたいのかな?
「……っ!…重っ!!」
リョーマがさっきまで私が持っていた荷物を持ち上げ、すぐに元の位置に戻す。
『……うん。スコシ…オモカッタカナ?』
あ、カタコトになった。
しかもリョーマに、…いや少しじゃないでしょ、コレ。
的な目で見られたし。
「…蒼…力も『リョーマが力無いだけだよ。』…ム。そんな事無い。」
…全く、失礼な。
女の子に、"力持ち"はないでしょ。
少しすねた様子のリョーマ。
「…てか、コレ中、何入ってるんだよ…」
…あ、話変えたし。
リョーマは、ダンボールの蓋を開け、中身を取り出す。
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