*Aquamarine*
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そろそろ出る時間かな?と思い腕時計を確認すると10時過ぎ。蔵ノ介のことだから早めに待ち合わせ場所に来ているかもしれない、そう思いそろそろ出ようとお兄ちゃんに声を掛けに部屋を出るとバイクの鍵を持ったお兄ちゃんが玄関前で待機してた。
「もう出るか?」
あわわ…お兄ちゃん待たせてごめんね。急いでブーツを履き、玄関にある全身鏡で上から下までチェック。……よし、大丈夫。鞄の中もさっきちゃんと確認したから大丈夫。と、心の中で1つ1つ確認をし、玄関の扉を開けてまっていたお兄ちゃんに一声掛ける。
『待たせてごめんね。お願いします!』
ああ、行くか…バイクのエンジンをかけるお兄ちゃんに渡されたヘルメットを被る。ちゃんとつかまっておけよ?…振り向いてそう声を掛けるお兄ちゃんにはーい!と返事をし、出発。
お兄ちゃんの背中に身体をくっつけると暖かくて…ついぎゅーっとお腹にまわしていた両腕に力を入れてしまい…久良、俺の内臓出ちまう…と言われてしまった。お兄ちゃん、ごめん。
待ち合わせ場所にしている駅に着いた。
10分前…少し早く着き過ぎたかな?そう思っているとお兄ちゃんに同じことを言われた。・・・兄妹って同じこと考えるのか?と心の中で笑ってしまった。
『ありがとうお兄ちゃん。』
「おう!楽しんで来いよ。」
『うん!』
そろそろ待ち合わせ場所に移動しようかな?と思い、お兄ちゃんに声を掛けようとしたら、あ。…とお兄ちゃんが声をあげた。
「危ね…渡し忘れるところだった。」
そう言ってバイクの椅子のところをぱかっと開け、紙袋のようなものを出す。
つぶれてなくてよかったー…とぼそぼそ独り言を言うお兄ちゃんに私は訳が分からずハテナが頭の上に浮かんだ。
椅子を閉じ、私に向き直って一言…
「久良…誕生日おめでとう。」
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