*Aquamarine*
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「久良…誕生日おめでとう。」
紙袋を渡されると共に言われた言葉。
今日、10月19日は私の誕生日。…学校や部活で忙しいはずなのに誕生日プレゼントを用意してくれていたなんて…
「…家で渡そうかと思ったんだけど…今久良が着ている服装とも合うし、と思って持ってきちまった。」
…今の服装とも合う?…そう言われ中身が気になった私は紙袋の封を開ける。
中に手を入れてみるとふわふわするもの…出してみると真っ白いふわふわの帽子。
「……………ん。似合う…可愛いぜ!」
私の手の上にあった帽子をお兄ちゃんがそっと被せてくれた。
かかか可愛いなんて…顔に熱が集まるのが分かった。嬉しい、すごく嬉しい…。じゃ俺は帰るな。そう言うお兄ちゃんに伝えたい。今のこの気持ちを…ありがとうを。
『お…お兄ちゃんありがとう!…すごく嬉しい。』
にっこり微笑んでお兄ちゃんに礼を言う。
時間…間に合わなくなるぞ?…そう笑うお兄ちゃんに、はっ!と思い出し腕時計を見てみると待ち合わせの時間まであと3分。…ヤバイ!と思いお兄ちゃん、ほんとありがとー!ともう一度お礼を言い待ち合わせ場所まで駆け出す。転ぶなよー!と後ろから聞こえたのは幻聴だと思いたい。お兄ちゃん…私これでも高校生。転びません!
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