作品集

□班長の憂鬱
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「だ〜!!!終わんねー!」


軍施設の事務室で俺、シュライハーツ・フィブリットは大量の書物と資料の中に埋もれていた。

軍の報告書やら始末書やら…
辺りを見渡せば紙、紙、紙…


「病むわ…」


俺は自分の机の上に顎を乗せ、高く聳え立つ紙の塔を見てボヤく。

「いっその事、火でも着けてこの紙を燃やしてやろうか」


ハハハ。と黒い笑いをしているその顔は疲労が見えている。
日頃のストレスと寝不足からのものだ。

そしてそのストレスの原因は先の見えない紙の塔だけではない。


「あうぅ〜。ちょっと先輩、何恐ろしい事言っているんですか〜?」



奥の扉からこの部屋のメンバーの一人が顔を見せた。


俺のストレスの原因その1。
メガネにオレンジ色の髪をツインの三編みにしている変なしゃべり方の
ナイル・マネリス。
(意外にボイン。)


「班長と呼べ。
どこか行ってたのか?」


「あうぅ〜。
先輩、女の子の行き先なんて聞いちゃだめです〜。」


「あぁ…トイレか…。」


「あうっ!先輩、デリカシーが無いですよぅ。
でもそんな先輩もステキですっ。」


…この通りのアホだ。


でもこいつはまだましな方。


「ちょっとヤダ班長、顔が黒いですわよん!?」


今度は前の扉から。

俺のストレスの原因その2。
プラチナブロンドの女豹
キリシア・クナナロ


キリシアから香るこの匂い…

「お前、また職務中なのにサボってエステ行ったな!?」


「いやだわ班長。
女は美を追求する生き物よ?
荒れた肌やクマのできた顔じゃ外を歩けないわん。」


それは俺の事か?


「うぅ…キリシア!先輩の悪口を言うなんて許せないぃ!」


「あらやだ、ナイル。
私は別に班長の事を言ったんじゃないのよん。
確かに班長の顔は荒れてるし、クマあるし紙のインクで汚れた顔をしているけど。決して班長の事ではないわよナイル。」


そして最後に俺の顔を見て眉間にシワを寄せるキリシア。
やっぱり俺の事か!


「あうっ!先輩のことじゃないならいいんですよぅ」


ハァ…

「取り合えずお前ら遅れた分を取り返すためにも、今日は徹夜だからな!」


「「え〜〜!!」」


こっちが叫びてーよ…!!


「あぅ?そう言えば先輩。ウカナスさんは?」


あぁ、そうだった。
俺のストレスの原因その3。
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