作品集

□agreement
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『agreement』




天気のいい昼下がり

そのほわりとした空気を破るのは




「駄目です! お持ち下さい!!」

「いらないよ。 今日はせっかくの休日なんだし」


前者は頭にリボンをつけた白髪の老人。

後者は日の光に金に見えるふわふわの髪の青年。


手で制する青年に 無理矢理細剣を押し付けると老人は すうと息を吸い込んだ

「休みだからと丸腰で出歩くとは御自分の立場がお分かりですかリンク様!
御命を狙っているものなどごまんとおるのですよっ!ごまんと!!
リンク様に何かあったら私は父上のお墓になんと言ったら――― 」


「わかった 解ったから」

青年・・・ リンクは刀を左手に持ち替える
承諾しないと この老人は無限に声を張り上げそうだ。

行ってくるよ と屋敷を出、日の光に目を細め 鳴き交わす小鳥を眺め 市場への道をゆっくりと歩く


そして ふと左手の剣を見、ふうとため息をついた

「デリングは心配症だな」

老人 執事デリングのぷんすか怒る顔を思い出し リンクは慌てて剣を腰にさした
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