長編小説

□第四章〜遺跡〜
1ページ/19ページ

よォ! 俺、ライゼン=エルファーレン。虎獣人で身長185cm、体重72Kg、年はピッチピチの20歳だぜ。
サウゼン大陸のホルスって国のウェンディグっていう田舎の町の出身で俺は今、パートナーと一緒に記憶の石ってのを求めて旅してんだ。よろしくな!

「っていうノリで自己紹介するんだろうな。お前は……このキャラウゼェ...。」

『ぅ、ウザイって言うなよ!確かに俺、そんな喋り方だけどよ。。どうした?レイト?吹っ切れちまったのか?』

「まぁ..な。というよりどうするんだ?この状況。テメェのせいだからな!!」

『ハイハイ。すみませんでした〜。そんなに怒んなくて良いじゃんかよォ。』

「俺のナリでそんな風に喋るな。バカっぽく見えるだろ!」

どうしてこんな状況になってるかって?
全てはコイツのせいだ。俺の目の前でヘラヘラしてやがる俺の姿をしたこのどアホのせいだ。

―3時間前

俺達はビアチェを出発して更に3日程かけて国境を3つ程越え、国立図書館で得た情報を元に一番近い遺跡を探索する事になった。
この世界には沢山の遺跡がまだまだヒトが手つかずの状態で放置されており、トレジャーハンターが埋蔵金やお宝を求めて冒険している。

「この町の付近に遺跡があるんだよな??」



『そうらしいけどな。地図を見る限りでは。』

俺は1つ前の町の露店で購入した地図を開きながらそう答える。
世界地図は一応持っているが、全大陸の国名しか載っておらず、地域ごとの細かい情報は載っていない。
だからその土地の周辺が細かく記載せれた地図をその地域ごとに買うしかない。



「おっ、レイトっあれじゃねぇのか!?」

そう言って俺の方を叩き、顔を上げさせ指をさすライ。
その指さす先見てみると遠くに石を積み上げたような建造物があった。



『…。あれだろうな。』

大抵は遺跡を見つけたとしても一般人はそんなところには入りたがらない。
なぜなら、中にどんな罠があるか分からないしどんなモンスターが出現するかも分からない。
そんなところに行くのはトレジャーハンターかギルドで依頼を受けた冒険者くらいのものである。
尤も俺達も確固たる目的があって行くのだがな。

「しゃぁ!見つけたぜ!俺、一回も遺跡入った事ないんだよなぁ。だから滅茶苦茶楽しみなんだ。」



『俺は一度だけ依頼で行ったことがあるが、お前の興味がそそられるような物は無いと思うぞ??』

「いや、なんか冒険者ってカンジだろ!?罠を掻い潜り、謎を解き、ってガキん時憧れるモンがあっただろっ!?」

と目を輝かせながら俺にそう興奮した様子で言う。
コイツはアレだな…。いつまでたってもガキだな。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ