短編小説
□disparity(キリリク小説)
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-カランカラン-
扉に付けられた小さな鐘が誰かしらがやってきた事を知らせる。
「おっ、いらっしゃい。
メシか?それとも依頼かい?」
と、戸を開けて入ってきた2獣人に対して声を掛けた馬獣人。
「ぁあ。依頼を受けようと……ってオイ!」
ヒョイッ!
ダダダダッ!!
2獣人の内、小柄な虎獣人がスっと熊獣人と馬獣人の間をすり抜けて依頼の貼ってるボードまで駆け寄る。
「んー…これが良いなっ。」
ベリッ!
トコトコ…
「ん、ハイ。おじさん。
この依頼受けたいんだけ……ぐぇっ!?」
ポカッ!
と。突如上から振り下ろされた鉄拳に否応なく地面に突っ伏す虎獣人。
「っ…たく。。適当に選んで俺に見せずに出すなんてよ…」
2mはあるのではなかろうかという巨体の焦げ茶の熊獣人はそうため息を吐きながらその随分目線の下の方で頭を押さえて悶絶している虎獣人の子供を見下ろしていた。