短編小説

□とある日の休日
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俺はつい我慢出来なくなって、これでもかという程『切る』ボタンを強く押して電話を切った。

もう着信拒否してしまおうか...。
でも、伯父さんの所でバイトしている以上無理な話だしな...。

と言うより伯父さんは必要以上に俺に気を掛けてきて正直たまにウザイ。
ヤったかヤってないのあとはポジションの話かよ!?
と言うか甥にそんな事聞くなよ!!
もうドン引きだよ!!

ーーー

・・・そんな事が先週あって今思い出してしまって軽く萎えた。

今日はデートの日なんだ!
あんなオッサンの事今日くらい忘れちゃえ!!

俺は忘れ物がない様にシッカリとカバンの中身を再度確認する。

[家鍵と財布とタオルにティシュ...]

遠足じゃねぇんだからと思うかも知れないけど、意外と外出の際にはタオルとティシュの出番はある。

よく遠足の栞とかに「ティシュ」の事「はなかみ」って書いてあったの思い出したけど、ティシュって鼻かむだけじゃねぇよな...なのになんで「はなかみ」って名称なんだろうって小学生ながらに思った事がある。

って、そんな事は置いといて...

ん...?
何だこれ?

ガサゴソ...

底の方に慣れない感触の物体があった。

固くて...筒状で??
ん?他にも何かゴロゴロある。
何だ?この棒状の変な感触のは?

こんなモノこの前入ってたっけ?
俺は疑問に思い、一度整理しようと思って鞄を引っくり返した。

チリンッ ボトッ パサッ

家鍵、財布、タオル、ティシュ。

ユサユサ...

ゴトッ ゴロン ゴロン ゴロッ... トスッ

ローション、訳の分からない瓶1、訳の分からない瓶2、バイブ、紙きれ......。

ろー...しょん!?

ばい...ぶ?

ローション!?

バイブ!?



どぅぇぇぇぇ!?!?!?

[何でこんなモノが...///]

いや、俺じゃねぇよ!?
そんな疚しい事考えてなんか...いや、もしかしたらなぁなんて思ったりしたりしてるかも知れないけど、こんな準備万端な事は俺はしてない!!!

と言うより買いに行った覚えが無い!!

俺は身に覚えのない事だけど若干パニクりながらも、一緒に出てきた紙きれを拾い上げ、目を通す。

〈親愛なる息子へ。
来る決戦の時、コレを使いなさい。

煉が父さんから離れるのは残念だけどこれも息子の成長。親として喜ぶべき事であろう。

戦況を見極め有効に活用しなさい。


ps.使い方は知ってるだろうね? 煉がこの前夜中に見ていた動画みたいに使うんだよ? あ、それと「履歴」はちゃんと消しておいた方が良いぞ♪

ps.ps.バイブはおまけのプレゼントだ。寂しい夜に使いなさい。

ps.ps.ps.父さんは煉の事愛しているぞぉぉぉ!!!〉

[......./////]

-ビリビリビリ-

俺は無言でその紙きれを破り捨てた。

[ッッ!! こんのっ!クソ親父がぁぁ!!!!]

と吠えたが、今は母さんと結婚記念日で旅行中なのを思い出した。
俺の怒声は俺以外誰もいない家中に虚しく響き渡った。
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