短編小説
□disparity(キリリク小説)
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「っゥゥ…! 痛いってグレフ〜…!」
「これぐらいで痛いなんて言ってたらまだまだだな。」
グレフと呼ばれた熊獣人はそう悪びれもなく言い放った。
「っう……。
ったく。ちょっとは手加減してよ…。 この脳筋(ボソ」
「ん?ハイゼルー?
お前何か今言っちゃいけない事を言ってしまったようだなぁ…?」
「いや、そのさ……
あっ、そうそう!依頼の内容はここを超えた山の麓に最近出没してるらしい【ジャイアントウルフ】の討伐だよ;!!」
と、全力で話を反らす虎獣人。
彼の名はハイゼル=アインハインダー まだ17歳の新米冒険者で魔法学校を今年卒業したばかりだ。歳の割に体の成長が遅くかなり小柄なのが特徴だ。
世界に名を馳せる程の一流の冒険者になるのが夢で、卒業と同時に家を飛び出た。
両親もその強い志に理解し、旅する事を了承してくれた。