×白雪姫

□第1章
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「…あ、クラピカさん」

「あ、あぁ…。ここがゴールか?」

「まだらしいです」





レオリオとクラピカが上がってきたが、あえて、クラピカに話しかけた。

レオリオは今にも死にそうな顔をしているからだ。

今、話しかけて彼の酸素の吸引を邪魔すれば、すぐに息耐えてもおかしくない。





「その目は生まれつきか?」

「え、あ、…ごめん、なさい」

「………何故謝る?」

「……え、だって、気持ち悪いから。赤いと、恐いって」

「私はそうは思わない」

「………ほんとに?」

「あぁ、綺麗じゃないか」

「………それキルアにも言われた」

「ゴンと一緒にいる?」

「……この世界の人の美的感覚がわからない」

「君がいた場所には綺麗という人はいなかったのかい?」

「………いたよ…7人と一つ」

「…一つ?」

「小人と鏡」

「…まるで白雪姫だね」

「白雪姫?」

「おとぎ話だよ」










喋る鏡に王妃は毎日聞いた。



「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰じゃ?」

「それはあなたです」



でも、ある時、鏡は白雪姫と答えて、王妃は実の娘を殺そうとする。

森へ連れていき、雇った猟師に白雪の心臓を持ってこいと命令した。

けど、彼は殺せずに猪の心臓を持って帰り、森に白雪を置き去りにした。


俺が殺さなくても置き去りにすれば死んだかはわからない。


しかし、彼女は生きていた。
森に住む小人と一緒に。


王妃はこれを知り、魔女に化け、毒林檎を白雪姫に食べさし殺した。

小人は悲しみ、白雪姫の入った棺を丘の上に持っていった。

そこに運良く、隣の国の王子様が馬で散歩に来ていた。



「何て綺麗な女性なんだ!」



王子は彼女に一目惚れし、キスをした。

すると、白雪姫は目を覚まし、王子と結婚し、幸せに暮らしました。










「まぁ、地方によっては、王子が死体愛好家だったとか、その後、王妃は熱い火であぶった鉄の靴をはかせ、一生躍らせたなど、色々ある」

「その話って悲しくないか」

「?何故そう思うんだい?」

「だって、王妃と仲直りしていないし、いきなりドワーフの元を去るなんて…助けてもらったのに…大体!あんなのを好きとか絶対おかしいぞ!ただの女の死体好きじゃないか!!」



「シラユキさん?」

「あ、ごめん。クラピカさん」

「…クラピカ」

「?」

「さんはいらない」

「じゃあ、私もいらない」

「シラユキ」

「……ク、クラピカ…」

「うん、それがいい」

「……な、なんか恥ずかしいんだが…」

「そうかい?」





当たり前だ。

そんな真面目な顔でシラユキと呼ばれると、どう反応すればいいかわからない。





「これも何かの縁だろう、これからよろしく」

「うん、よろしく」








 
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