×白雪姫
□第0章
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王妃は針仕事の最中、誤って針を指に刺してしまった。
指から滴り落ちるその血が、白い雪の上に落ちる。
王妃はこれを見て窓枠の黒檀に手を添え思った。
「肌は雪のように白く、唇は血のように赤く、髪は黒檀のように黒い子供が欲しい」
王妃は願った通り、授かった。
“雪のように白い肌”
“血のように赤い唇”
“黒檀のように黒い髪”
ではなく、
“血も通わない青白い肌”
“雪のような白い髪”
“悪魔のように紅い眼”
城に住む者、街に住む者は口を揃えて言った。
「嗚呼、悪魔の白雪姫」
王妃は自分の娘とは思えず、白雪姫を拒絶した。