×白雪姫

□第11章
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「キルアん家って、
でかすぎだろ。」





キルアを連れ出すため、
白雪は初めてバスというものに乗った。

電車の中でも「すごいっ!」と
騒いでいたのにバスの中でも
騒いでクラピカがまるで母親のように
静かにしろ叱っていた。

バスを降り、目の前には大きな門があった。





「これが門で、
中が庭ってことか・・・」

「?普通じゃないのか?」

「普通なわけねぇだろ。」

「・・・・・・私の敷地。この倍なんだが・・・。」

「・・・・・・」





白雪の場合、ゾルディック家のように
山が敷地全てではなく、国そのものが
白雪の家(城)だった。





「考えてみれば、
白雪って一国の姫だもんな・・・。」

「私、今までずっと失礼なこと
考えてたかもしれない・・・。」

「?」

「最終試験の会場・・・・・・。
あれって執事室かと思ってたし。
あと、初めの試験の洞窟?
みたいなのは暗い廊下だと・・・・・・。」

「失礼どころかそれ、
常識外だからな。」





ガシャンッ!!!





レオリオが言い終えたと同時に、
門の隣にある小さな小屋の扉が飛んだ。

どうやら、一緒にバスに乗り合わせた
大柄の男2人組の仕業のようだ。

賞金首狙いなのだろう。

小屋の中にいたおじさんから
強引に鍵を奪い取り、
門の隣の小さな扉から
敷地内に入っていった。





「おじさん、大丈夫?」





ゴンがおじさんに駆け寄った
すぐのことだった。





ぎゃぁぁあああぁああああ゛!!!!!





耳をつんざくような悲鳴が
辺りに響き渡った。

その声は、今入って行った
二人組のものだとそこに居た
誰もが理解した。

誰も声を上げずに、
辺りは静まり返る。

嫌な汗が頬を伝った。



ギィ・・・と怪しげな音と共に
中から現れたのは獣の手と、
その手に器用に掴まれた
骨だけになった先程まで生存していたモノ。

掴んでいたものを落とすと
滑稽なくらい空っぽの音が轟いた。

目で追うしかなかった。



普通とは程遠い殺し屋一家。

キルアはこんな環境で育ったのだ。





「「きゃあぁぁああ!!!」」





先程、共にバスに乗っていた
乗客達は一斉にバスに戻って行く。

こんなの見たら夢に出てきそうだ。



親切にバスガイドさんは
私達を待ってくれていた。

申し訳ないが、ここに用が
あることを告げると
バスは勢い良く下山していった。





 
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