×白雪姫

□第13章
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「あーぁ。いいの?
 ホントは残しておきたかったんでしょ?」


「・・・君はつくづく嫌な性格してると思うよ。“アリス”」






**********







白雪は辺りを見渡す。



先ほどの風景とは違い、コンクリートの
壊れた建物が周りに立っており、あたりは薄暗かった。





「戻って、きた・・・」






向こうの世界とは違う空気を肺に吸い込む。

戻ってきた、そう実感し、目の奥が熱くなる。



鼻もツーンとして、唇が震えた。





あぁ、泣きそう。





だが、それより先にここが何処なのかを
人に聞かなければならない。



今にも溢れそうな涙を乱暴に腕で拭う。



その時、自分の腕が赤黒いことに気付いた。



泥と、血がぐちゃぐちゃになって、
汚れているの一言で片付けられるようなレベルじゃない。



人を見つける前に今の格好を何とかしなければならない。



この辺りを散策しようと足を踏み出す。



その時、先程まで晴れていた空から、
一粒、雨が降ってきた。


始めのうちは小粒だったが、
あっという間に大粒にかわり、
容赦なく白雪に降り注ぐ。



枯れていた地面もあっという間に
川のように溢れる。



靴の中にも水が入ってくる。



あぁ、最悪だ。



堪えていたものが、
一気に溢れ出した。



涙か、雨かもこれじゃわからないくらい、
白雪の顔は濡れていた。






「そんなところで泣いてたら、風邪ひくよ?♦」



「・・・お前!!」



「・・・!・・・おや♦」





頭の上に影が落ちる。


聞き覚えのある声がし、後ろを向くと、

顔に似合わず、傘をさしてる奴が一人。






「・・・ヒ、ソカ・・・・・・」

「やぁ♠久しぶりだね、白雪♡」

「何で、お前・・・」

「・・・どうしたんだい?その格好♣
 君の血の匂いじゃないね♠」

「・・・・・・お前が何でここに居る」

「僕?僕は仕事帰りだよ♢
 ・・・それにしても・・・」

「・・・・・・」

「君、白雪だよね?」

「今、自分でそう言っただろ。」

「うーん・・・そうなんだけど・・・♣
 まぁ、それは今度でもいいかな♦」

「・・・・・・」

「白雪は帰らないのかい?♥」

「何処に?」

「えっ、何処って・・・?♦」

「ヒソカ、ここは何処なんだ。
 ハンター試験が終わって一体どれ位経った。」

「白雪・・・君は柩の中ででも眠ってたのかい?♠」





ヒソカは少し考え込み、白雪の手を取る。





「それじゃ、行こうか♥」

「は?」

「行く当てないんだろ?♦僕の所に来なよ♠」

「フザけたことぬかすなお前!!」

「このままだと風邪引くし、その格好でホテルにインするなんて無理に決まってるだろ♣」

「・・・・・・チッ」

「代金なら、身体で支払ってもらっ「金ならあるぞ」・・・・・・♥」





 
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