×白雪姫
□第13章
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「あーぁ。いいの?
ホントは残しておきたかったんでしょ?」
「・・・君はつくづく嫌な性格してると思うよ。“アリス”」
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白雪は辺りを見渡す。
先ほどの風景とは違い、コンクリートの
壊れた建物が周りに立っており、あたりは薄暗かった。
「戻って、きた・・・」
向こうの世界とは違う空気を肺に吸い込む。
戻ってきた、そう実感し、目の奥が熱くなる。
鼻もツーンとして、唇が震えた。
あぁ、泣きそう。
だが、それより先にここが何処なのかを
人に聞かなければならない。
今にも溢れそうな涙を乱暴に腕で拭う。
その時、自分の腕が赤黒いことに気付いた。
泥と、血がぐちゃぐちゃになって、
汚れているの一言で片付けられるようなレベルじゃない。
人を見つける前に今の格好を何とかしなければならない。
この辺りを散策しようと足を踏み出す。
その時、先程まで晴れていた空から、
一粒、雨が降ってきた。
始めのうちは小粒だったが、
あっという間に大粒にかわり、
容赦なく白雪に降り注ぐ。
枯れていた地面もあっという間に
川のように溢れる。
靴の中にも水が入ってくる。
あぁ、最悪だ。
堪えていたものが、
一気に溢れ出した。
涙か、雨かもこれじゃわからないくらい、
白雪の顔は濡れていた。
「そんなところで泣いてたら、風邪ひくよ?♦」
「・・・お前!!」
「・・・!・・・おや♦」
頭の上に影が落ちる。
聞き覚えのある声がし、後ろを向くと、
顔に似合わず、傘をさしてる奴が一人。
「・・・ヒ、ソカ・・・・・・」
「やぁ♠久しぶりだね、白雪♡」
「何で、お前・・・」
「・・・どうしたんだい?その格好♣
君の血の匂いじゃないね♠」
「・・・・・・お前が何でここに居る」
「僕?僕は仕事帰りだよ♢
・・・それにしても・・・」
「・・・・・・」
「君、白雪だよね?」
「今、自分でそう言っただろ。」
「うーん・・・そうなんだけど・・・♣
まぁ、それは今度でもいいかな♦」
「・・・・・・」
「白雪は帰らないのかい?♥」
「何処に?」
「えっ、何処って・・・?♦」
「ヒソカ、ここは何処なんだ。
ハンター試験が終わって一体どれ位経った。」
「白雪・・・君は柩の中ででも眠ってたのかい?♠」
ヒソカは少し考え込み、白雪の手を取る。
「それじゃ、行こうか♥」
「は?」
「行く当てないんだろ?♦僕の所に来なよ♠」
「フザけたことぬかすなお前!!」
「このままだと風邪引くし、その格好でホテルにインするなんて無理に決まってるだろ♣」
「・・・・・・チッ」
「代金なら、身体で支払ってもらっ「金ならあるぞ」・・・・・・♥」