×白雪姫

□第0章
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「おい、白雪!!」





ベチャッ!





みずみずしい音と共に
街の子供達の笑う声が聞こえる。

白雪は痛みのあった頭部を触れ、
手に付くベタつきを見つけた。

投げた主犯の本人へ振り返ると、



「悪魔がいるぞ!逃げろー!」



などと言って、
何処かへ走って行った。



しばらく、目で
後を追っていたが、
全く姿が見えなると、
もう一度頭を触る。

手には赤い汁と甘い匂い、
潰れた実の一部などが
付着していた。

下を見れば、左手で抱えている
カゴの中にも同じ果実が
入っていた。



「急いで帰ろう」



そう呟き、この街で一番大きい建物へ走って行った。




















「何その格好!!」



城へ戻ると王妃とその使えている次女達とバッタリ出会わせてしまった。

王妃は白雪の足元から頭部まで眺め、一言



「醜いわ」



と呟く。



「早く洗ってきなさい」

「……はい」



白雪は軽く頭を下げ、来た道を戻り、別の道から井戸に向かって走りだした。



 
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