×白雪姫

□第1章
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結局、開け方が分からず鞄の中にしまう。

その時、この鞄はふと鏡が準備してくれたのを思い出した。

中身を漁ってみるが、最低限の着替え、この世界で使えるのかもわからないお金、そして大量の武器。



「(私の部屋にはこんなものなかったぞ!!)」



武器の種類は豊富でナイフもあれば銃もあった。

白雪に戦闘経験は全くない。





「頼りになるもの何もないじゃないか…」

「ねぇ」

「……?」



声をかけてきたのは、自分の髪とよく似た色の少年だった。

片手にスケボーを持ち、ポケットに手を入れながら、こちらに歩いてくる。



「ジュース飲まないならくれる?」

「………あ、うん、どうぞ」





再び、しまった缶ジュースを取り出した時、





コロッ…





「ん?何か落ち…」

「ゲッ!?馬鹿!離れろ!!」

「え?」





ドカァアアアアン!!!!!!!





「な、ななな何これ!?」

「お前、爆弾くらい丁寧に扱えよ!」

「ば、爆弾!?」





白雪の鞄から落ちたものは、小型爆弾。

規模は、まぁ、小さい方だが白雪は驚きの余り爆発後を口を開けて見ていた。





「アホ面」

「は!?」





白雪は慌てて口を抑える。

口が悪い餓鬼め…と思ったが、爆発寸前手を引いてくれたのである。

感謝の気持ちくらいは表せなければ。





「えと…助けていただき、ありがとうございました」

「お前、名前は?」

「えっと、白雪です」

「ふーん、俺キルア」

「キルア、君…何才ですか?」

「ん?12」

「………へぇ〜……え?」

「何?」

「え?……え?12才?」

「だから言ってんじゃん」

「………」





白雪は横に並ぶキルアを呪いたくなった。



「(何でそんなに、身長が高いんだ!?)」



白雪は17才。

キルアは12才。



白雪の身長は159。

キルアの身長は………。





「……身長何センチですか?」

「えっと〜…158」



1cm違いだと!?

私、高いほうだと思ってたのに!!

白雪は心底落ち込んだ。

そんな白雪には構わず、キルアは爆発のさなかに受け取った、缶ジュースを飲んでいた。





「……何?」

「それ、美味しいですか?」

「んー…不味い」

「…じゃあ何で飲むんですか?」

「喉乾いてるから」

「…あ、なるほど」

「なぁ、何で敬語な訳?」

「…え、だって知り合ったばっかだから」

「ふーん、俺、お前のこと助けたから一つ言うこと聞け」

「ジュースあげたじゃないですか」

「それとこれは別」

「なんて理不尽な」

「敬語無しな」

「…それだけですか?」

「他にも何か命令してほしいの?」

「いや、遠慮する」





鞄をかけなおしたとき、目覚ましのようなベルの音と共に、仕切りがなくなり奥には『サトツ』という男が立っていた。




「(ヒゲ……)」



白雪はその一部しか目に入らなかった。










一次試験の内容は二次試験会場までサトツに付いていくことだった。

白雪は数年の間、森に放置され、小人と共に育ったので、
それなりに付いて行くことはできる。



ただ、隣をスケボーで悠々と走ってる奴はムカツク。







 
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