×白雪姫

□第3章
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カランコロン





砂埃の中からリズム良く音が鳴る。





「何だ、あいつ」

「審査委員の会長であり、ハンター試験の最高責任者。ネテロ会長よ」





ネテロの登場により、メンチは冷静になり、試験のやり直しを申し出る。

そして、彼の出した案によって、飛行船で山へ移動することになった。





「お、おい飛んでるぞこれ!?」

「飛行船なんだからあたりめぇだ」

「ひこうせんってすごいんだな!」





ただ、大抵の人はただ単に、乗ったことがないととらえたが、白雪には見たこともないものだった。

乗って数分後に目的地“マフタツ山”に到着し、受験者達はその頂上に降りる。





「さぁ、皆。崖下を覗いてみて」

「な、なんだありゃ…」

「クモワシの巣よ」






崖下には蜘蛛の巣のように白く太い糸が列のように張り巡らされていた。

そして、その奥にクモワシの卵がネットのようにいくつもぶら下がっている。





「何だあれを採ればいいのか」

「いや、例え採れたとしても、その後が問題だ」

「どうやって上がってくるか」

「風だ!」

「おぉ!ゴンナイス!」





他の受験者達にも聞こえてしまい、何人もの受験者達がゴン達の後に引き続き崖下に飛び込み糸にぶら下がる。

そして、風を待っている最中に、ふと思った。





「なぁ、これ見えないか?」

「何がだよ?」



レオリオは白雪の呟きに答える。



「何がって、この感じでいくとだな、必然的に私の服がめくれると思うんだ」

「な!?」

「いや、でも、落ちる時に空中で座る形でなら見えなくもないよな!」

「知るかー!んなんもん何でワンピースなんか着てきたんだよ!」

「あ!でも、中はカボチャだから別に平気か!」

「お前は、恥を覚えろ!恥を!クラピカも何か言え!」

「いや、ちょっと、すまない、私は、ノーコメントで…」

「何で照れてんだよ…」





ゴンは分からずに首を傾げていた。

逆に理解することをしてはいけない。

あと数年大きくなってからの方がいい。



一方、キルアは



イラッ



何に対してか、ずっと二次試験前から怒っている。

そんなキルアにゴンは尋ねる。





「ねぇキルア?」

「あ?」

「さっきから凄い怒ってるけど、何で?」

「………わかんねぇ」

「……ん?」

「……シラユキが喋ってんの見るとイライラする」

「………そ、そうなんだ」





ゴンは聞いてはいけないことを聞いてしまった気がした。

白雪に伝えるべきか、それともこのことは自分の心の中に留めておくべきか……と考えた時、微弱に風を感じた。





「今だ!!!」





ゴンの言葉を合図に一斉に受験者達は手を放し、卵を掴み谷底へ墜ちて行く。

そして、下から強い風が吹き上げ、受験者達を宙へ飛ばした。





「合格者は決まりね」





メンチは嬉しそうに笑う。

残る受験者は24人。








 
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