×白雪姫
□第5章
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「好きな人?」
「いないのか?」
「好きな人なぁ…」
話すネタが尽きてしまい、結局大抵は恋愛話に持っていかれる訳で。
白雪は支給された食事を食べながら、ふと過去を振り返ってみた。
しかし、考えてみても思い当たる人などいるハズなかった。
「いないけど、ゴンとかクラピカとかキルアとかレオリオとかは好きだぞ」
「いや、恋愛だって」
「レンアイ…?」
「…え?」
「ん?」
「ねぇの?経験?」
「恋愛ってあれだろ、結婚するまでの………行為?」
「いや、あながち間違ってはないんだけど、やめよう、その言い方」
「だって、さっき話した通り私、近くにいたの小人だったからレンアイなんかないぞ」
「今はどうだ?」
「今?」
「お前今、あの金髪の男と一緒じゃん、年も近そうだし何かないのか?」
「……クラピカか……そもそもコイって何なんだ?本では胸が苦しくなるとか色々あった。けど、先に病院に行けって話だ」
「………恋は病気じゃないんだよ…」
ハンゾーは必死に伝えてみる。
「例えば!日頃一緒に居て、只なんとなくしたことにトキメク!」
「………」
「うーん…ちょっと意識してみれば見方が変わるんじゃねぇか?」
「意識かぁ…」
「そう、ソイツが他人と話してるの見てイラッとか思ったり、嫉妬ってやつだ」
「………イラッ……ハンゾー」
「心当たりでもあるのか?」
「いや、キルアが怒ってたんだ」
「あの小さい猫みたいなガキか?」
「やっぱりクラピカのことが好きなんじゃ…」
白雪は晩のことを話した。
二次試験の時からずっと機嫌が悪いキルアが突然機嫌が悪くなくなったことだ。
その話を聞いてハンゾーは一言。
「お前、鈍いな」
「は?」
「ソイツ苦労するだろうな…」
ハンゾーの目は何処か遠くを見つめていた。
「お前はなんか思わねえの?」
「キルアにか?うーん…キルアの乗ってるアレ…乗ってみたい」
「やっぱ鈍いわ、お前」
その後も恋愛話は続く。
ハンゾーの初恋の話を聞いて、玉砕した話には吹いてしまい、ものすごく説教をされた。
しかし、そんなことをしている間にも刻々と時間がすぎていく。