×白雪姫
□第6章
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試験3日目。
昨日は特に、これといった襲撃もなく、森の木の実の試し食いで終わった。
この世界にも“林檎”があったのだが、昔のトラウマもあり、食べたかったのだが、手が出なかった。
「プレートいい加減に集めないと…」
そう思っていた矢先のことだった。
「動かないでね、俺の指ナイフよりも切れるから」
何処からかキルアの声が聞こえた。
前方を見ると一人の男がキルアに殺されそうになっているように見えた。
「キルア!お前何やって!?」
「シラユキ!?」
「よしっ」
白雪がキルアに向かって走っていると、後ろから腕を引っ張られる。
引っ張られた白雪はそのまま後ろに倒れそうになるが、引っ張った張本人が身体を支え、白雪の首を片腕で絞める。
「コイツお前の仲間なんだろ?交換しようぜ」
「汚ねぇぞ」
「お互い様だろ」
白雪は情報把握の為、周りを見る。
そこにはキルアの他にもう一人、見知った顔があった。
「あ、199番の人」
「ゲッ!お前!」
「ふーん……」
白雪は赤い目を光らせ、ニヤリと笑う。
「お前が浴びた催涙弾さ、まだ、後遺症出てないの?」
「こ、後遺症?」
「アレさ、精神崩壊剤入ってるんだ、麻薬?みたいな」
「………!?」
「あと、どれくらいでお前が狂い始めるんだろうな?」
「な、んだと」
「対抗剤ならあるぞ」
「!?」
「欲しいなら、コイツ邪魔」
白雪は自分の首を絞めている男を睨む。
男はわかったのか、渋々腕を放す。
「プレートは置いていけ」
キルアはキョトンとしながら男の首から手をどける。
白雪はそういい、粒の入った布袋を投げ渡した。
3人は足速にその場を去って行った。
「シラユキ、お前何やったんだ?」
「キルアと会う前にあの中の一人に襲われたんだ。けど、ちょっと威(オド)した」
「へぇ〜で?プレートはとれたのか?」
「欲しい番号じゃないけど…199番」
鞄から取り出し、キルアに見せる。
「え!?それ俺の欲しい番号!」
「そ、そうなのか!?」
「199番!アイツ、出せって言っても出さなかったのは、持ってなかったからか」
「はい、あげる」
「え?くれんの?」
「その代わりキルアの持ってるプレート2枚と交換な」
「いいぜ!」
「…1…9…8!?」
「うん」
「これ、私の狙ってた番号だ!」
「え!?何それ!?スゲーじゃん!」
「奇跡だな!!」
「最高じゃん!!」
「ありがとう!キルア!」
「お、おう!」
これで、残りの期間。このプレートを守りきれば、次の試験に残れる。
二人のテンションはhightだった。
そんな中。
「ゴホンッ…機嫌いいとこ悪いんだが…197番のプレート渡してもらおうか?」
「ん?」
木から降りてきたのは、スキンヘッドの男。
半蔵だった。
「ハンゾー!久しぶり!」
「おぉ!シラユキ!プレート集めは順調か?」
「バッチリだぞ!」
「そうか!頑張って次の試験に残ろうな!」
「うん…あ、197番なのか?」
「あぁ」
「私、持ってるからあげる」
「いいのか!?」
「私、集め終わったから」
「恩にきるぜ!」
「お礼はキルアにな」
「………」
半蔵は二人を交互に見合わせ、ニヤリと笑う。
「ライバル多いから、横取りされねぇようにするんだな」
「な!?」
「じゃあな〜シラユキ〜」
「ばいばい!」
「………シラユキ」
キルアが少し不機嫌にたずねる。
「お前、アイツと仲いいのか」