×白雪姫

□第10章
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「クラピカ達は飲んだのか?」


「いや、飲みかけたが・・・。
ゴンが味の違いに気づいてくれて、
飲まずにすんだ。」


「レオリオは一回飲んで
吐き出してたよね。」


「言うんじゃねぇ!!」








レオリオはゴンによって、
一命を取り留めたらしい。



しかし、一体何の薬が入っていたのか。








「レオリオで試せば
良かったんじゃ・・・・・・。」


「おい、シラユキ。
口から恐ろしい言葉が漏れてるぞ。」


「気のせい、気のせい。」


「気のせいじゃねぇよ。
ハッキリ聞こえてんだよ。」








レオリオの言葉は適当に流し、
多数決でどうやってトリックタワーを
降りていったのか、ゴンに続きを聞いた。








「ハンゾーに聞いたんだけど、
強い人と戦ったのか?
私は当たらなかったんだけど……」


「強い人?うん!戦ったよ!」


「どんな奴だった?
ムキムキか?マッチョか?」


「それ、両方意味一緒だよね。」


「ミスったな。
……じゃあ、ガリガリだった?」


「細い人もいたよ。
俺はその人と戦った。」


「ゴンは勝ったのか?」


「うん!ろうそくの火が消えたほうが負けって内容だったんだ。」


「………単純だな」





もしかして、対戦相手もゴンと似たような性格だったんじゃ…。





「レオリオは?」


「俺か?俺はー…。」




レオリオの顔からは半端ない量の汗が噴き出し、何処を向こうとしているのか、目があらゆる方向に動く。


それもそのはずだ。


レオリオの前にゴンの素晴らしき武勇伝を聞いてしまったのだから。


しかし、期待をしながらニコニコと笑って白雪が待っている。


その光景を哀れに思い、
クラピカがレオリオのフォローに入る。




「白雪…!レオリオは負けたのだよ!」




フォローになってない!



その事実はレオリオの心に深く突き刺さった。


しかし、その事実に顔をしかめる。





「レオリオが負けた?強そうな顔してるじゃないか。顔だけか。」


「う゛っ!!」


「ゴンが勝ってお前が負けてたら示しがつかないだろ。ホントに何やってんだ。」


「・・・・・・す、すまん」


「私に謝ろうが結果が変わる訳じゃないから。他が勝ってくれたんだろうけど。」





吐き捨てるように白雪は言った。


その言葉はレオリオの心の芯を
ポッキリ折ってしまってしまった。






「・・・・・・そうだ・・・俺は、
ムッツリスケベ・・・・・
・・・・どうせ俺は・・・・・・・・・。」


「クラピカは?」





まるで、今の今までレオリオに
毒を吐き捨てていた白雪は
いなかったかのように、
綺麗な笑顔でクラピカに聞いた。






「私は勝ったよ。
レオリオのお陰でもあるんだが・・・・・・。」


「ふーん。それでどうだった?」


「相手は見かけだけだったから、
そんなに苦戦することはなかった。」


「他には?」


「他?」


「何かもっと・・・まあ、後ででもいい。
キルアは?」


「勝ったよ。」


「まぁ、そうだよな。」





そんな話をしながらゆっくりと、キルアとの距離は近づいていった。





 
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