×白雪姫

□第11章
2ページ/5ページ



「なるほどねー。
 キルア坊っちゃんの友達ですかい。」

「はい。」





おじさんは守衛室いる
私達にお茶を出してくれた。



あ、美味しい。



「いやね…雇われの身でこんなこと
言うとバチが当たりそうだけど、
本当に寂しい家だよ。
だーれも訪ねてきやしない。」

「そうなのか?」

「えぇ、あんな連中は
ひっきりなしに来るんだけどね。」





おじさんがさす指の先には先ほどまで
肉の付いてたはずの人の骨。

頭蓋骨がゴミ箱からひょっこりと
出ており、目なんかあるはずも
ないのに、視線があった気がした。





「来てくれてありがとう。」





嬉しそうな表情で言うから、
少し照れくさかった。

でも、本当に誰も
訪ねてこないのは寂しい。





「しかし、君らを庭内に
入れるわけにはいかんです。」

「え?」





この流れから何故そうなった。





「私たち、キルアに会いに来たんだ。
ここまで来て戻るわけにはいかない。」

「さっきも見たでしょう?
でかい生き物の腕を。

あれはミケといって、
ゾルディック家の
番犬なんですがね…。

家族以外の命令は
絶対に聞かないし、懐かない。

坊ちゃんの大事な友達を
骸骨にするわけにゃいかないからね。」





ここで沈黙が走る。





「守衛さん。」





この沈黙を破ったのはクラピカだった。





「あなたはなぜ無事なんですか?
あなたは中に入るんでしょう?
中に入る必要がないのなら、
鍵を持つ必要もないですからね。」

「……いいとこつくねぇ。
半分当たりで、半分外れですね。」

「半分?」




「中に入るが鍵は使いません。
これは侵入者用の鍵なんですよ。」










 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ