×白雪姫

□第12章
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自分でもびっくり
してるくらい落ち着いてる。

ちょっと前通ったこの廊下も
何も考えず歩いてる。





今から死ぬかもしれないのに
怖いとか逃げたいとか、

そういう感情がない。





もう諦めてるのかもしれない。









『鏡。』

「何」

『今までありがとう。』

「・・・・・・」





王妃がいる広間の前についた。

この扉を開ければ、
きっとすべて終わる。



取っ手に触れる手が震える。

今更、震えるとか・・・。



「ねぇ、どうして
 助けてって言わないの?
 何で命乞いしないの?

 国よりも私を助けてって
 死にたくないって

 俺に言ったら、
 これから起きるかもしれない
 最悪の事態を回避出来るかもしれないのに。」



『もういいよ。

 鏡は私の生まれる前からずっと、
 母様についてきた。

 でも、この国ももう終わる。

 鏡は自由なんだ。』





震えを殺して、
扉を押した。
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