『好き?嫌い?プリン(セ)ス』
□02
1ページ/9ページ
リョーマ「ちぃーす」
そう言ってニヤリと笑った。
ほう…あれが越前リョーマくんか。
な、な、な…なんと素晴らしい登場の仕方なんだぁぁぁあああ!
かっちょえーっ!
あれだよね、「ヒーローは後から登場するのさ(キラッ」って感じだね。
いや、これは王子様かな?
よし、私も見習って、いつか真似してみよう!←
ニヤリと笑う越前くんに、青学メンバーが駆け寄った。
桃城くんが、たくましい腕で後ろから越前くんの首を絞めている。
うわ、ガチで苦しそう…。
桃城「ちぃーすじゃねぇ!突然居なくなりやがって!この野郎」
越前「く、苦しいっス…桃先輩」
それに解放されたかと思うと、次は菊丸くんに頭を叩かれていた。
菊丸「おチビぃーっ!!」
越前「い、痛いっス…英二先輩」
ぶはっ。
おいおい、やりたい放題だな、越前くんの先輩ら。
ま、愛されてる証拠なのかね?
大石「心配したぞ、越前!全国大会3日後、いきなり姿を消すなんてー!?」
って、え、あ、貴方はママですか?
乾「越前がここに呼ばれる確率120%…データ通り」
んーっと、絶対、今考えたよね?ね?
海堂「フシュ〜ッ」
あ、「おかえり」って意味ですね、分かります。←
河村「ウェルカムバァーク!!」
ラケット持ったまんまだったんかい!
越前「相変わらずっスね、先輩達…」
越前くんは呆れたように言うが、その表情は明るく、楽しそうに笑っている。
うむうむ、青春だのぅ…。
幸村「フフ…変わらないね、あのボウヤは」
その様子を遠目に見ていた、オデコにヘアバンドを付けた美少年が微笑む。
あ、あれが立海大部長であり神の子・幸村くんか。
う、美しい!
身体全身から神々しいオーラが滲み出てるわ。
拝んでおこ。←
田仁志「あんチビやっぱ呼ばれちゅーさぁ、永四郎〜っ!!」
木手「うろたえないで下さい、田仁志クン」
他の人よりだいぶ太めの田仁志くんが焦ったように、髪型コロネパンな比嘉中部長の木手くんに話しかけていた。
コロネパン…食べたいなぁ。お腹減ってきた。
髪の毛が鮮やかなオレンジ色の千石くんも「うーん、役者だねぇ」と言っている。
艶々な髪を肩まで伸ばした伊吹くんは、小さな声でブツブツと何か呟いているようだ。
私はコートから離れていて、よく聞こえないけど、たぶん…
「そうか分かったぞ。ワザと後から登場して目立とうと…ちくしょう……相変わらずムカツク1年だよな。今回こそぶっ倒そ。でも橘さんは、チームだから協力しろとかいってたし…スキをみてやるしかないなぁ…あーあ」
と、こんなところだろう。
なっげぇな、一人言!
怖いよ、あの子!
いろんな意味で怖いよっ!
呪われそうだ…。
あ、いや、褒め言葉の1つですよ、はい。←