『好き?嫌い?プリン(セ)ス』
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越前くんの試合を筆頭に、中学生達の容赦無い試合が始まった。
高校生「ぐわぁぁぁっ!!」
銀「六式波動球…」
高校生「何てパワーだ!?…マジであんな中坊いていーのかよ!」
本当ですよね、勘弁していただきたい。
だってほら…人が飛んでいきましたよ。
フェンスの先まで。
菊丸「やっほーい!!石田銀の波動球は108まであるよん♪」
六式であの威力なんだから…いずれ死人が出るな(白目)
ボールに当たらないよう気を付けますかね。
そのコートの横では、唖然とするような神業が光っていた。
ボールがネットを渡り、高校生側のコートへポトンッと落ちる。
丸井「妙技綱渡り…どう、天才的?」
み、見事…。
天才的だわ、口だけじゃない。
それにしても、あのガム美味しそうだな…んでもって、膨らましながらどうやって喋ってるんだろう?
みんな器用だね。←
そのまた隣のコートでは、摩訶不思議な技が炸裂した。
高校生「ほう、中学生にしては、いい球打つじゃん…!(なっ!?ぼ、ボールが消え…)」
千歳「『神隠し』ばいね」
…ふむ、なるほどね。
私のと似てるけど、ちょっと違う属性だなぁ…。
んで、背ェ高ェ…。
身長分けてくれぇ!
その横では、平古場くんの飯匙倩(ハブ)、そして蔵兎座くんのサザンクロス…。
あぁ、もう…容赦無さすぎ、この子達。
私、偉そうにコーチなんかしたら、殺されるんじゃないかな?
ボール1つで殺されるって。
え、まだ死にたくないんだけど…やり残したこと山ほどあるんだけど…。
ほ、ほら、彼氏だって出来たことないしさ、うん、青春がテニスだけで終わるのはちょっと…ね?
……でも、そんな乙女心より、選手魂の方が強いことを改めて実感する。
だって、彼らのプレーを見て凄く興奮してるもん、私。
今…彼らと試合がしてみたい!って全身の血が騒いでる。
あ、でも…コーチするんだから、戦っちゃダメなのかな…。
と、ちょっぴり肩を落としながら試合を見ていると、コートから離れたところで、声が聞こえてきた。
高校生「…すまねぇいいのか?」
高校生「ありがとな」
鳳「い、いえ」
宍戸「バカヤロウ長太郎。敵に塩送ってんじゃねーよ!…ちょいダサだぜ」
どうやら、心優しい鳳くんが、先刻、青学に絡んでいた高校生2人にボールを渡してあげたらしい。
なんて優しい子なんだ!
いい子過ぎる!!
撫で撫でしてあげたいっ!
って、それよりも…………ぶふっ。
ちょ、宍戸くん…ちょいダサって新しい口癖?
確か資料には、「激ダサだぜ」が口癖って書いてあったもんね。
そっかー…新しい口癖作っちゃったのかー…ぶふっ。
ご、ごめんなさい。
別に馬鹿にしてる訳じゃないんだけど…か、可愛いなって。
その会話を聞いていた柳生くんが小さな咳払いをする。
柳生「コホン。宍戸くん、次はそれを流行らそうとしてますね?ねぇ、仁王くん」
柳生くんは、腰掛けていた仁王くんに話を振る。
仁王「プピーナ…」
仁王くんは、顔をコートに向けたまま、不思議な言葉を返した。
柳生「あなたもですかっ!?」
ぶふっ。
あっちはあっちで、コントみたいなことしてるし…ああ、もう!
私を肉体的にも精神的にも殺したいのか、ここにいる子達は!