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Happy Birthday!(ジェスネ)
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そういえば、今日一日ジェームズの姿を見ていないことに気づいた。

今はもう昼休み。
いつもこの時間は本を読んでいる時に悪戯を仕掛けられたりするのに。
風邪でもひいたのだろうか…

「何で僕があいつのことなんか…!」

とにかくあいつのいそうなとこを探すことにした。
クディッチの更衣室、空き教室、屋上、念のため医務室も…

「おかしいな…、どこにもいない…」

もしかしてどこかで怪我をして動けなくなって…!!
いや、でもあいつに限ってそんなこと…。

僕はとにかくそこらじゅうを探し回った。







高かった太陽はすっかり落ちて、辺りは暗くなっていた。

「はぁはぁ…」

僕は息が切れてしまっていた。

彼は合同授業にも姿を見せなかった。
グリフィンドールの生徒にも聞いてみたが、誰も彼の居場所を知らなかった。

「本当に、どこに行ったんだ…。」

もう時間も遅い、仕方ないので僕は部屋に戻ることにした。

「あっ!スネイプー!」
「…っ!?」
「もうーどこ行ってたんだよ!部屋にいってもいないし!」
「それはこっちのせりふだっ!そこらじゅう探し回ったんだぞ!授業にも出ないし、どこ行ってたんだ!?」
「えっ…、僕のこと探してたの?」
「っ…。」

しまった、つい言ってしまった。
何だか恥ずかしくなってきた。

「ふふっ、ありがとうー!何だか愛を感じるなぁー」
「馬鹿を言え、もう僕は部屋に戻るからな。」
「そうだ!君がいないから部屋に置いてきたんだ。一緒に行こう!」
「えっ…!ちょっジェームズ!」

僕らは走って部屋に向かった。
僕の手を引く彼の手は大きくて暖かかった。







ドアの前に着くとジェームズはどうぞと言い、そっとドアを開けた。
僕の部屋なのに…。

きぃと音を立ててドアが開くとそこには…

「えっ…」

Happy Birthday!Severus Snape!!!

宙に浮いたキラキラした文字、テーブルには可愛らしいキャンドルとデコレーションケーキ。

「おめでとう、スネイプ!」

あぁ、今日は僕の誕生日だ…!

「ほら見てよ!このケーキ手作りなんだよ!一日かかったんだ!」
「えっ、だから今日一日居なかったのか?」
「へへっ、僕こっちのセンスはあんまりないみたいでさ。何度も失敗しちゃったんだ。」

食べてみてよとケーキを口に運ばれた。
口中に甘いクリームの味が広がる…

これを僕のために…?

「どう?」
「……甘い。」
「そうじゃなくてスポンジがどうとかさー!」
「………まずくはない…」
「あはは、スネイプらしいや」

いつもはケーキなんか食べないし、甘いものを自分から食べようとは思わない、だけどこれは…

「……ありがとう、嬉しい」

とてもおいしく感じたんだ。


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