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現パロ:1
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始めにの説明を読んでから読んでください。





「ねーねー、スネイプー一緒に帰ろうよー」
「帰るも何も僕の家と貴様の家は反対方向だろう」
「そうだけどさー、一緒にたこ焼き食べに行ったりもしたいなーなんて…」

こちらをちらち見ながら奴は寂しそうな顔をした。

「……っ…貴様のおごりなら行ってやらなくもない…」
「本当っ!?じゃあ駅のとこのがおいしいからそこに行こ!」

またやられた、僕は奴に弱い…。

彼とは2年生の頃同じクラスだった。
その頃から一方的に誘われたり、話しかけられた。
3年になり、クラスは別れたが未だに僕のことを誘ってくる。
嬉しくない訳じゃないけれど、僕は一人でいる方が好きなわけで…。

だけど彼は何故僕なんかに構うんだろう。

彼は家柄も良く、顔も頭も良い、おまけに人柄も良くて人気者だ。
僕は両親の不仲にうんざりして家を出て独り暮らし、頭は良い(方だと思う)けど、根暗だし、友達もいない。

考えれば考えるほどわからない…。

「スネイプ行くよ?」
「あっ!あぁ、すまない」
僕は考えるのを止め、先で僕を呼ぶ彼の方へ走っていった。





「おいしいーっ!どう?」
「ん、なかなか旨いな」

彼が選んだ店はおしゃれな雰囲気で味も良かった。
たまにはこういうのも悪くないな。
同級生と寄り道をし、他愛もない話をして、一緒に食事をする。
彼と出会わなければなかったことだと思う。

「ふふっ」
「……!…君が笑うなんて珍しいね、そんなにおいしかった?」
「珍しい…か?」
「珍しいよ!いつもツーンてしちゃってさ、笑っていた方が可愛いよ」
「っ…!変なことを言うな!」

それから僕らは色々なことを話した。
自分の好きな音楽、本、最近のこと…





「あぁ、その本ならうちにあるぞ」
「本当!?じゃあ貸してもらえないかな?」
「わかった、明日持ってくる」
「明日かー。そうだ、今から君の家に行っちゃだめかな?」
「いいけど、時間はいいのか?」

もう夕方だ、すぐに暗くなる。

「すぐ帰るから大丈夫だよ、だめかな?」
「僕は構わないが…」

2人は席から立ち上がり、スネイプの家へと向かった。





「ここだ」

小さい白のアパート。
ここの2階の角が僕の部屋だ。
きっと金持ちの彼からしたらすごく狭い部屋だろう。

「へー…、お邪魔しまーす」

スネイプの部屋は殺風景で、本棚、テーブル、ベッド、クローゼットがあるだけだった。

「何にもないねー」
「あっあまりじろじろみるな!」

このまま放っておくと色々と触られるかもしれない。
とりあえず彼をベッドに座らせ、僕は貸す本を取りにいった。

「言っていた本だ、これの1巻でいいんだよな?」
「うん、ありがっ…」

隣に座り、本を手渡したときに一瞬指が触れた。
ジェームズの体が少しびくついたのがわかった。

「どうかしたか?」
「………!」

何も言わずに見つめられる。
どうしたのだろう。
僕もどうしたらいいのかわからず彼を見つめ返す。

どれくらい経ったのだろう、急に両手で肩を捕まれた。
彼が近づいてくる。

「……ぁ…」

唇が重なった。
キスは軽く、一瞬だった。

「なっ、…えっ?」

あまりのことに声がでない。

「君が好きなんだ」

ますます声がでない。
彼は何と言った?

「ずっと君のことが好きだったんだ、付き合ってくれないかな」
「えっ…だって僕は男だぞ…?」
「わかってるよ、君が好きなんだ…!」

めまいがした。
まだ互いのこともよく知らないし、だいいち男同士…。
僕はすっかり混乱してしまっていた。

「返事聞いても良い?」
「返事って…あっ!貴様キス…!!!」
「えっ今さら?」

初めてだったんだ。
ファーストキスを奪われたショックと混乱で倒れそうだ。

「スネイプ…」

彼は僕の腰に手をまわしてまた顔を近づけてきた。

「ちょっ、待て!そっそうだ友達、友達から始めよう!」
「え゛っ、僕らもう友達でしょ!?」

彼の肩を押し、体を離す。
これ以上はされたくない…!

「明日から仲良くしよう!そうしよう…!」
「えっ!スネイプ!?ちょっと!」

ぐいぐいと彼を押し、ドアの外へと出した。

「じゃあまた学校で…!」
「待ってよー!ひどくない!?」

バタンッ!

彼の今にも泣き出しそうな声を無視しドアを閉めた。
悪いが僕も混乱してるんだ…。
今日はもう一人にしてくれ…!
明日彼に会ったら何を話せばいいんだ…


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