ログ
□贈り物
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クィディッチの練習が終わった後、更衣室に戻るとロッカーに水のボトルが置いてあった。
もちろん僕が持ってきたものではない。
ファンの子かな!
直接渡してくれればいいのに…
きっと恥ずかしがり屋な子なんだな。
そう思い、キャップを開け、渇いた体に水を流し込んだ。
水はほどよく冷えていて、熱くなった体を冷ましてくれた。
また次の日も練習から戻るとロッカーに贈り物が置いてあった。
今日はチョコレートクッキーだ。
透明な袋に3枚入っていて、青いリボンが結んである。
どうやら手作りのようだ。
疲れてるから甘いものがおいしい!
そしてまた次の日も贈り物が置いてあった。
赤のチェックのタオル。
ちょうど今使っているのが古くなってきたから変えようと思っていたんだ。
気が利くなぁ!
僕は汗でびしょびしょになった顔や体を新品のふわふわなチェックのタオルで拭いた。
それから毎日練習から戻ると贈り物があった。
それはキャンディだったり、クッキー、グミ、ジュース、サンドイッチ…
不思議なことに、僕がちょうど欲しいと思っているものばかりだった。
ある時は怪我をして戻ると、消毒液と包帯が置いてあることもあった。
でも誰がしてくれているんだろう…
お礼も言いたいな。
次の日、僕はロッカーに手紙とリボンをつけた棒つきキャンディを置いてから練習に行った。
手紙にはいつも気の利いた贈り物をありがとう、今度は僕からの贈り物を受け取ってね! JP と書いておいた。
練習から戻ると手紙とキャンディはなくなっており、代わりにありがとうと書かれたメモ用紙と板チョコが置いてあった。
よかった、受け取ってくれた。
僕は着替えて、贈り物のチョコを食べながら部屋へ向かった。
すると中庭の木陰に座って眠っているスネイプを見つけた。
どうやら本を読んでいてそのまま眠ってしまったようだ。
ちょっとからかってやろう!
僕は起こさないよう、そうっと彼のもたれ掛かっている木の後ろに行った。
すやすやと寝息を立てていて、いつも眉間に皺を寄せた彼とは大違いだ。
スネイプもこんな顔するんだ…ん?何だろうこれ…
開いたページのところにしおり代わりに何か挟んである。
手紙…?
なぁんだ…、そうだったのか!
僕は彼に自分のローブをかけ、また部屋へ向かって歩き出した。
次の日、僕はまた贈り物を置いてから練習に行った。
鉄製の細かい飾りが彫ってあるしおりと手紙。
手紙にはあんなとこでうたた寝してると風邪引くよ! JP
戻るとまた手紙としおりはなくなっていて、代わりに僕のローブと金平糖とメモがあった。
メモにはうるさい!と殴り書きしてあった。
ふふっ、彼らしいや!
後であいつ何て言ってくるかな!