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雨と落ち着きのない男
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「あっ雨…?」

赤いカーテンのベッド、時刻はもう真夜中だ。
周りのベッドからは寝息が聞こえてきて、起きているのは僕らだけのようだ。

「わー…本当だ、明日ホグズミードに行くのに…」
「雨でも行けるじゃないか?」
「だって傘さしてなんて面倒じゃん」
「そうか…?」
「スネイプは雨嫌いじゃないの?」
「うん…僕は嫌いじゃない、雨が降れば薬草が育つし、それに…」
「それに?」
「雨の音を聞いてるとなんだか落ち着くんだ」
「ぶっ!似合わないー!」
「っ〜〜!!」

スネイプはげらげらと笑うジェームズの頭を叩いた。

「痛いな〜」
「笑うからだ…貴様もたまには目を閉じて落ち着いて聞いてみろ」

僕はそっと目を閉じて雨音を聞いた。
シトシト、ピチャピチャという水の音が心を落ち着かせ、ホッとさせてくれる。

「んっ…!?ジェーム…っ…」

不意に唇をふさがれびっくりした。

「僕は落ち着きないんだ」

にやにやと顔を覗き込まれまたキスをされる。

「馬鹿が…んぅ…っ」

雨足が強くなってきたのか、雨が窓を激しく叩きだした。
僕らの荒い息使いも、甘い吐息もかき消されていった。


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