長編
□あちらとこちらの連理共鳴2
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【静芭サイド】
晩御飯を外で済ませ、再び買い物へ。
雨のランニングする為の服をスポーツセンターで購入。
レインコートと傘も、別の店で購入した。
食材の買い出しも忘れない。
食べ盛りの中学生…、雅治君はなかなか食べないのだけど、その子たちをお腹いっぱいにするには、食材が割りと必要になる。
幸い、いい子達が率先して持ってくれるので、余り荷物にはならない。
持ってるのは、自分用の酒くらい。
それさえ持つというけれど、これくらいは持たせて欲しいと断った。
帰り道に遠回りして、ランニングコースになりそうな場所を案内する。
明日はテニスコートの手入れ。
帰れば、早速みんなで走りに行くと言った。
雨は止んでいるけど、暗い。
懐中電灯を持って、一緒に走らせて貰う事にした。
私が遅れる事を考えて、小さなライトを弦一郎君に預けてある。
車が来ない、細い歩道を走る。
「静芭姉さん、体力あるね」
「そうかな。精市君たちの方が凄いと思うけど」
「正直、ペースが速い。特訓になるから助かるけど。そのまま、ペースメーカー続けて」
意外な事を言われたから、少し驚いた。
けれど、このままでいいなら続けよう。
私はペースを維持しつつ、ひたすら走る。
地道に続けていたランニングが、体力を付けてくれたらしい。
山道を走り、時々後ろを振り返る。
みんな息がかなり上がっているけど、この後は下り坂。
そこで息は整えられるだろう。
坂を抜ければ、30キロコースは終わって家に到着する。
みんな、頑張って。あと少しだから。