長編

□あちらとこちらの連理共鳴2
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【丸井サイド】





正直、静芭姉の体力を舐めてた。

細っこい体に、体力あるとか考えもしねぇって。

静芭姉は足踏みしながら、俺達を労う。

マジかよぃ、大して息が乱れてねぇし。

軽い運動した後みてぇ…。

「今からダッシュ20本してくるから。先にクールダウンしておいて。場所は道場を使ってね」

まだ走る気かよ、この人!

「俺達もやるよ」

幸村の台詞に、意識が遠退くのを感じる。

かなりのトレーニング量じゃん!

静芭姉は、かなり速く走る。

100メールダッシュ…。

あれだけ走った後に、まだあんなにしっかり走れんのかよぃ。

「余り無理はしない様に。体を壊すと元も子もないから」

「大丈夫です」

大丈夫じゃねぇよ、真田。

俺は内心毒ついた。

参謀も仁王も、かなりの汗だ。

一番体力あるジャッカルも、ちょい疲れてる。

道場に入ってクールダウン。

クールダウンで安心するなんて、かなり久しぶりだぜぃ。

「いつもこの様なトレーニングを?」

参謀の質問に、静芭姉は苦笑した。

「まさか。雨の時は素振りだし。あぁ、時間ある時はフルでやる」

ふ、フルっつー事はフルマラソンだよな?

あの道をフルで…!

「後は、筋トレかな」

「静芭姉、何かスポーツやってんのかよぃ?」

「まぁ、ね。何をやってるかは、秘密だよ」

人差し指を唇に付けて、ふふ、と笑う。

なんつーか、美人がやると様になるよな。

大人の女って感じがするし。

呉芭姉も美人だ。

遺伝子って奴なんだろうか。

あぁ、何か体力使い過ぎて腹が減った。

呉芭姉に何か旨いもん食わせて貰おう。
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