多分長編なんだと思う
□紳士と策士(?)の悪巧み(?)
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「計画通り」
「ニヤリ、を忘れてますよ」
「効果音なくても、ニヤリって笑っているよ」
効果はあったかな。
朝方、品定めする様な幸村君の目が、今は私に向いていない。
ただ、テニス部員の勘違いし易そう、且つ警戒心が強い人の前で、私がミーハーだと思わせる会話をヒロ君としたけどだけどね。
私の偽装作戦は成功。
内容はこんな感じ。
ミーハーだが、それを隠している。
あわよくば、それでテニス部に興味持って貰えれば、と言う会話。
ただそれだけ。
効果は十分にあったが、念には念を。
相手を知る事も肝要。
勿論、レギュラーの下調べはしている。
厄介そうなのは、幸村君と柳君と仁王君、と言ったところかな。
だが、裏を返せば彼らを上手く騙しさえすればマネージャーにならなくて済む。
綻びが出ない様に、わざと時折幸村君を見る振りをしたり、細々したところを疎かにしない。
「あれ、比呂君、単語帳?あ、中間テスト近いからか」
「はい。名無しさんさんには負けませんから」
学年末で首位に立てば、翌年の学費が減るんだっけ。
中間より学年末が大事だけど、うん。
ある程度実力を計るには丁度いい。
一位にって学費浮けば、お小遣い増えるし。
お小遣い増えたらゲーセン行けるし。
動機は不純かもしれないが、私は中間テストに向けてやる気を出した。