多分長編なんだと思う

□紳士と策士(?)の話し合い
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件以来、平和だ。

仁王君の行動のおかげで、ミーハーなふりをする必要性も皆無。

大人しくなった理由を不思議がられたとしても、仁王君が私に一言言ったからで済む。

真田君にやらかしてくれた時はハラハラしたけど、マネージャーを真田に言いに行って良かった。

一位になった期末試験。

もうすぐ夏休みだけど、つぎは比呂君に何を命令しようか。

前回は、自転車の二人乗り(但し公園)だったけど。

「名無しさんさん」

比呂君?珍しいな。教室に来るなんて。

「すみません」

「え?何が?」

帰ろうとするなり、これだ。

「あなたを悪く言われて、耐えられませんでした」

…まさか。

「え、ま、え!?テニス部にバラしたの!?」

「はい。すみません」

何て事、まさか比呂君が…!

比呂君曰く、仁王君と切原君が私の悪口を言ったらしい。

比呂君は名無しさんは悪くないと言った。

あちらはミーハーだの何の言ったが、それは私の計算で、そう見せてるだけだと言ってしまったらしい。

ミーハー台詞の協力の事や、真田君の件も、全部。

勿論、比呂君に全て逐一報告はしていないし、比呂君を信じなければ、逆に疑わしい限りだろう。

が、生憎、あちらの参謀は頭がキレる。

比呂君の性格は、ある程度把握されていよう。

この流れなら、私が最初全く興味がなかったのは、幸村君も気付いた筈だ。

肩書きに惚れた、そう思わせたが、状況を整理されると非常に不味い。

「まだ、手はある」

私が比呂君を騙したと言う手段などなど。

…あれ、比呂君、さっきからすみませんしか謝ってない。

普通なら、彼なら申し訳ありません、と言う筈だけど。

「名無しさんさん」

「…何?」

「マネージャーは嫌かもしれませんが、これ以上騙さないで下さいませんか。私も、真田君を騙すのは気が引けます」

嘘だね。紳士とは言え、それはないでしょ。

「あぁ…。そう言う事か。やられた。比呂君」

「はい」

「…テニス部に入った?」

「ご明察です」

私は眉間を押さえた。

予想外過ぎて、どうしようもない。
 

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