多分長編なんだと思う
□策士と参謀の混ぜるな危険
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〔其の壱、ジャッカルサイド〕
休み時間に名字の所に来た柳。
名字は、柳が来るなりプリントの束を出した。
「流石だな。仕事が早い」
「そう?まぁデータの正確性を確認する手間はいる。ああ、分かってるよ」
「そうか。では、任せる。あれはこちらで何とかしよう」
「なんで通じているんだよ、お前らは。とジャッカルは言う」
「なんで通じているんだよ、お前らは。とジャッカルは言うんだろうね」
いや、その通りだけどよ。
つーか、何の話だ?
テニスに関係があるんだろうが、訳がわからん。
今に始まった事じゃないが。
「ふふっ。これ、ルート抽出メモ。どれを取っても安全牌とは言い切れないけど、こっちは28%」
「元より、リスクは承知している。それだ低いならどうにかなる」
二人の会話は、端から聞いてると理解不能だ。
しかも、いいデータだと笑う柳と、いい統計だと笑う名字。
な、なんか、滅茶苦茶冷気を感じる。
笑ってるこいつら怖ぇし、そして、
「気持ち悪ぃ、とジャッカルは思う」
「気持ち悪ぃ、とジャッカルは思ったでしょ」
そうだよ、それ以外ねぇだろ。
腰が引けた俺に、二人は見下ろしつつ笑みを浮かべやがった。
せ、背中がぞわっと来やがった…!
こいつら、あれだ。混ぜるな危険って奴だ。