多分長編なんだと思う

□策士とルーキーの混ぜるな危険、括弧笑い
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最近、蓮二は頭を抱える事が多くなった。

大体名字さん絡みだけど。

マネージャーとして、最低限の仕事はやってくれるが、彼女は実に扱い難い。

俺でさえ手をもて余す。

イップスにしても、直も俺を見て笑うから面白くはあるんだけどね。

名字さんの幼馴染みの柳生ですら、名字さんを上手く御せない。

つまり、名字さんをどうにか出来るのはいないってこと。

今は、赤也が果敢にも名字さんに突っ掛かってっている。

「潰す!」

「どうぞ、お好きに?」

駄目だ、赤也が名字さんに手を出したらマネージャーがいなくなる。

そして、名字さんは周りが止めざるを得ないと分かっているから堂々としていた。

「赤也」

柳は手慣れたもので、赤也を制した。

赤目の赤也の膝を折り、頭を軽く叩く。

因みに、これは今に始まった事じゃない。

以前、無理矢理連れていったゲーセン、同じ事があった。

戦国系のゲームで、名字さんは赤也を子典範にした。

名字さん、ゲーム強いっていう訳じゃなさそうだけど。

俺が分かるのは、赤也がやってるのを見てやっただけ。

「データは取れた」

なんて蓮二みたいな事を言い、対戦に割り込んで勝った。

それだけなんだけど、赤也を挑発するには十分だったけどね。

この二人が絡むと飽きない。

激しい兄弟喧嘩みたいだから。

俺は妹がいるけど、余り喧嘩しない。

だから、二人を見てると新鮮な気持ちになるんだ。

なんだかんだで、二人は嫌いあってないし。

「ふふっ、あの二人見てると和むね」

「!?」

弦一郎は何故か驚いた。

「あの二人も混ぜるな危険だろう」

「混ぜるな危険?はは、括弧笑いを付けたくなるよ」

「…。」

押し黙る弦一郎を見て、俺はつい笑ってしまった。

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