多分長編なんだと思う

□策士と部活の適切距離2
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立海なう。

名目では氷帝に研修生として行って、五時間目終了で神奈川に向かった。

ま、一週間程度でカタを付けれる自信があるから、休んでも良かったんだけどね。

跡部君がフォローしてくれて休みにならないのは助かる。

「お前の名前出したら、校長がヤケにビビってたぜ。何をしたんだ」

「秘密」

「アーン?」

「ふふっ」

後に、部活に間に合う様に五時間目で授業を切り上げて神奈川に向かった。

勿論、部長にも氷帝での話は伝わってる。

「部活休んだらどうなるか、頭のいい君なら分かるよね」

なんて言われたら、出る予定だった部活も気合いが入るよ、本当に。

「で。どうにかなりそうなんか?」

「私を誰だとお思いかな」

なんて、仁王君にニヤリと笑ってみせた。

「おお、怖いのぅ」

わざとらしく肩を竦めて笑う彼に、私は喉を鳴らす。

うーん。最近部員との距離が縮まって来たか。

少し、離れるかね。

直ぐだと気を使わせるから、然り気無く距離を取りますか。

「名字さん」

部長が首を傾げるて微笑むけど、彼は本当にこう言った仕草が似合う。

それが計算から来ていないのは、多分いい事だ。

「何?」

「跡部から幾ら貰ったんだい?」

小声で聞かれて、渡された金額よりかなり少なめに答えた。

予想通り、部長が笑う。

「みんな、今日は名字さんが帰りに何か奢るって」

やっぱり、こんな流れか。少なく伝えたけど、暫く伏せているか。

「マジで!?名字、俺ケーキ食いてぇ!」

「マジっスか!やっぱ肉っしょ肉!」

「何でもよか。名字は何がいいんか」

「私は行かない。お金渡すから、その範囲内で楽しんで来て。足が出たらそっちで何とかしてよ」

案の定、不満そうだ。

だけど一緒に行ったらファンクラブが煩いし、距離を取れない。

「精市、部長命令で連行させろ」

「うむ。名字、お前も来い」

「そうですね。名字さんも是非」

参謀も副部長も私を連れる気か。

いつもなら女性にお金を出させるのは、なんて止める比呂君は、私が相手だから遠慮がない。

いや、参謀は私がどう出るか試してるんだな。

さてはて、どう回避するか。

「無理矢理は良くねぇだろ」

唯一の良心、ジャッカル君が止めるが、部長は遠慮なく部長命令を下そうとするだろう。

そうなれば、幾ら拒否しても力技で連行されるがオチ。

と、なれば。

「部長、展覧会のチケット献上するけど?」

「マネージャーは帰っていいよ」

よし、作戦成功。

部長と参謀以外には残念そうにされたけど、一緒に行く訳にはいかないからね。
 

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