多分長編なんだと思う

□策士と歴女の実態
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休日、私は夜更かししてゲームしたり、本を読んだり、調べ物したりダラダラしている。

幼馴染み曰く、私は歴女らしい。

歴史関係の書物読んでると、本当に寝食を忘れる。

今日もうっかり食事を抜きそうになるけど、昼食を取るなんて大昔はなかったから大丈夫だろう。

策士って呼ばれてるけど、実際はこんなもんですよ、ははは。

昼過ぎ、跡部君に呼び出され、高額バイトのお話。

メイドに扮して、跡部君と重要人物の会話を聞いた後のアドバイス係、なんて大層な事をお願いされた。

夕方、そのまま東京のゲーセンに向かう。

地元だとやれないしね。

一応、歴史関係のゲームは好きだから、ちょいちょいやってるけど伏せてるし。

戦国BASARAをプレーして、本屋へ。

某文庫の最新刊を片手に、他に好みそうな本を探す。

歴史関係の文庫本を手に取ろうとした時に、他の客と手が重なった。

「すみません」

「こちらこそすまない」

「!?っ、」

元親!?寧ろ秀吉様!?司馬師!?

…違った。だよね、そんな訳ないか。

って、あ。青学の手塚国光。

「どうかしたか」

「いえ。私、立海のマネージャーなので。手塚国光君ですよね?」

密かに暴走した気がするけど、顔には出さない主義。

ちょっと驚かれたけど、問題ない返しをする。

「そうだ。そうか、お前が立海の…」

うわ、ますますそっくり。

やば、聞き惚れる。耳が幸せ。

私が知られているのは、ちょっと恥ずかしいけど。

「この本を読むのか?」

「いえ、決まった訳じゃないよ。面白そうな本を探してて。これじゃなくてもいいから、どうぞ」

「そうか。すまないな」

持っていない他の本を手に取り、頭を下げてレジへ向かう。

三成や政宗の声に似た人間がいたから、元親に似た声の人間がいても可笑しくないな。

正則と幸村と兼続にも、似た人間がいたりして。

無双だけでなく、BASARAも。

幸村は名字だけ被る人がいるが、彼が幸村の声と同じでなくて良かった。

同じなら、笑ってしまいそうだ。

「立海のマネージャー」

呼ばれて振り返る。

「時間あるだろうか。少し話がしたい」

ま、こちらとしても手塚国光の人物を知れるから好都合かな。

「いいよ」

私は笑って頷いた。

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