多分長編なんだと思う

□皇帝と参謀の日常会話
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Jr.選抜が終わり、部活に復帰。

色々危惧はしていたが、杞憂だったらしい。

名字がマネージャーとして上手く纏めていた。

報告書や部誌を見ながら、それが明らかに分かる。

「あ、副部長。おはよう」

「ああ、おはよう」

名字が、バケツと雑巾を片付ける。

毎日部室を掃除しているのは、一年生でなく名字と聞いた時は驚いたものだった。

名字はそれを隠しており、偶々早く来た蓮二がそれを知ると、名字は逆に苦く口を引き結んだらしい。

知られたくなかった理由は、気を使わせたくなかったからだとか。

「一年生だって練習あるし、寝たいだろうからね」

そう言っていたと、蓮二は薄く笑った。

毎回毎回、名字は回りくどい気の使い方をするものだ。

堂々としてればいいものを。

――ピリリリリ

机に置かれていた、名字の携帯が鳴る。

渡してやろうとしたが、ディスプレー画面を見て硬直してしまった。

"手塚国光"

そう出ていたのだから。

名字は気にも止めず、電話に出て部室の外へ出た。

「おはよう、弦一郎。どうした」

「む。おはよう、蓮二。…実はな、」

言おうとして、止めた。

言ってはいけない事であれば、後が怖い。

蓮二は不思議そうにした後に察した様で、電話か、と言うなり名字を追う。

盗み聞くのであろう。

電話が終わったらしく、やや顔色の悪い蓮二が中に入って来た。

名字は、マネージャーの仕事と着替えの兼ね合いから中に入らない。

聞くのは今しかないと、俺は口を開く。

「蓮二、どうかしたのか。何があった」

「弦一郎。策士と言うのは、敵に回せば恐ろしいな」

蓮二の顔色が悪く、俺まで何故か寒気がした。

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