多分長編なんだと思う
□部員と策士の大会打ち上げ
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全国大会の優勝写真を、部室に飾る。
私たちの一つ上が引退だから、私達がこれから部活を引っ張っていかなきゃ。
いや、引っ張ってたから今までと変わらないけどね。
「来年勝てば、三連覇か…」
増えていく賞状、記念品。
テニス部のマネージャーになって、本当に良かった。
何が良かったって、勉強になるし、一生懸命に取り組んでいく姿勢を学んだし、何より胸を熱くさせる思いを何度も味わえたから。
言葉には出さないけれど、マネージャーにしてくれた事に、今では感謝している。
引退する三年生にお礼を言われたが、お礼を言うのは寧ろこちらだ。
互いに頭を下げて、また宜しくと握手をする。
引退しても、テニス部には来るのは分かっているから。
実質部長だった幸村君が、完全に部員の頂点に立つ。
私は、これからも彼らをサポートして行きたい。
「名字」
「部長」
「これからも宜しく」
「はは、頑張るよ」
「うん。来年勝って三連覇を成さなければいけないからね」
並んだら写真を手に取り、部長が笑う。
黒い笑みを部長は浮かべがちだけど、今は年相応の笑顔。
ファンが見たら、卒倒するだろう。
「部誌纏めたら、時間あるだろ?」
「打ち上げには不参加ですよ」
「相変わらず徹底してるな。打ち上げ位参加してもいいだろう?」
どうしよう、かな。
「場所は真田の家だから、ファンクラブから何か目を付けられたりしないだろう。三年生も来るんだ、絶対来ること。部長命令」
絶対王政発動か。
ま、打ち上げくらいなら参加してもいいかな。
普段の寄り道は、参謀を盾にしつつ回避してるし。
「一時間だけお邪魔します」
「短いなぁ。ま、いいよ」
一緒に行くには、不味いかな。
参謀に場所を聞いて、後から合流しよう。
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