多分長編なんだと思う
□策士と部員の年末風景
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こっそり部室の大掃除なう。
終わったら、帰りにお寿司買って帰ろう。
跡部君の家でバイトしてるから、最近懐が暖かい。
跡部君の家でメイドに扮して話を聞いて、後で相談役をしてる。
最近は、跡部君のお祖父ちゃんにも同じ事をさせられる様になった。
色々、政治の裏に通じてしまっている。
こんな中学生のアドバイスが役に立つのか、なんて思ったけど、かなり役に立ってるらしくて、最近は頻繁に呼ばれた。
政治家のお偉いさんと仲良く話す中学生って、どうなんだろう。
冬場になって、寒くなって来た。
冬場は脂肪が溜まり易いって聞くけど、相変わらず冬もハードな練習のサポートしてるからか太らない。
と言うか、前みたいな食欲無くて痩せた気がする。
「よし、終わり」
参謀は、私が一人で掃除するのを見越してるだろう。
多分、今日の朝方からメンバーが手伝いに来る筈。
裏をかいて、早朝から来てみた。
因みに、細かいところはこっそり少しずつやってる。
別に手伝って貰っても構わないし、そっちが早く終わるけど、マネージャー業に目覚めてしまったらしい私は、こうしてコソコソ裏をかいてサポートもしてる。
掃除用具を片付ければ、同時に開く部室のドア。
「今日は部活休みだよ」
「わざとらしいな。掃除を手伝いに来たが、既に終わっていたか」
データが外れて落ち込む参謀と、反対に喜ぶ切原。
余程掃除したくなかったのか。
「しゃーないのぅ。帰るぜよ」
何だかんだで、仁王君も嬉しそうだね。
「名字、たまには部員を頼れ。俺たちは仲間だろう」
「私は試合に出れないからね。勝ってくれるのは君たちしかいない。頼ってるよ」
「む…。」
「はは、一本とられたね、真田」
部長も笑う。
「じゃ、仕方ないから帰ろうか。名字さんもね」
「残念ながら、迎えが来るから」
「本当に距離を取るの徹底してるな。仕方ない、帰るよみんな。バイバイ、名字さん」
「うん」
軽く手を降って、みんなを見送った。