長編

□新世界で奏でるlife5
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四位と言うのが、重くのし掛かる。

全国の切符は手に入らなかった。

「手塚」

兄さんが先輩に呼ばれ、肩を軽く叩かれる。

「後は任せた」

「はい。次は全国制覇します」

夢物語だ、今の青学では。

立海には勝てそうにない。

でも、先輩たちは笑わなかった。

今の青学では出来なくても、成長すれば出来る様になるかもしれない。

風か髪を連れて行くように靡く。

髪がふわりと舞った。

また、来年。
そして、兄さんたち今の二年生の最後のチャンス。

来年は、全国へ行けるだろうか。





全国大会を見に行けば、圧倒的な試合をする立海大付属中。

実力が違う。

三強と呼ばれる、精市君、弦一郎君、蓮二君。

彼らは、特にレベルが違い過ぎた。

青学が全国を制覇するならば、彼らに勝たなければならない。

それは、途方もない道に思えた。

黄色い悲鳴を聞き流す立海陣。

あの子たちは、私が見ているのが分かったらしい。

小さく手を振る、精市君。

一度目を合わせ、軽く微笑みま、また目を反らす弦一郎君。

僅かに開眼し、その後笑う蓮二君。

ブンブンと大きく手を振る、ブン太君。

ニイッと口角を上げて笑う、雅治君。

軽く手を上げてくれた、ジャッカル君。

頬を軽く掻いて、目を反らす赤也君。

それを見ていると、来年は青学と当たる気がしてきた。
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