長編

□青の双璧9
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木曜日、朝練が終わり、千葉へ。

男子が対戦した六角中。

その六角中のOB、OGに、小百合先生はアポを取ってくれた。

その中には大学生や社会人もいる。

学校は、その。…サボターシュになる、のだろうか。

だが、顧問から言われたのだし、学校の許可は降りている。

完全なサボりではない。

品行方正、成績優秀というのは、こういう時に便利だと私は妙に感心した。

今日から、特訓が始まる。





関東大会だというのに、試合をぶっ続ければ馬鹿と言われるだろうか。

小百合先生の伝でおじぃと呼ばれる方にアポを取り、おじぃさんの伝で六角中卒業生と試合をする。

「次、お願いします!」

「へいよー。つーか、まじ女子中学生なん?」

試合慣れなら、確かに効果は望めるだろう。

次々に試合をこなしていく。

「凄い集中力だね」

「自分でも驚いています」

全勝、とは勿論行かない。

学業に集中している彼等にも及ばない試合があった。

ウエイトは外しているのに。

神速舞歩の使用禁止が重い。

明らかに速度に頼った試合が多かったからだろう。

速度がダメなら、後は技術。

実際、私に足りていない事が分かっている。

努力、しなければ。





六時間目と部活だけ出ると言う、不良みたいな事をやっている。

いや、不良は六時間目や部活は出ない…のだろうか。

そもそも不良とは、良くない事を指すので、不良であるが。

「サボり?珍しいじゃん」

「まぁね」

「まさか手塚先輩の所に行ってた?」

「そんな事やったら兄さんに叱られる」

「あぁ、そっか」

アリアはそれ以上追及して来なかった。

ボロボロだから、予想出来たのかもしれない。

その日も部活をこなすが、流石に体が怠い。

試合をあれだけこなしたのだ、流石に体力が減っているのだろう。

怠い体を、気力で持たせる。

「手塚さん、大丈夫?珍しく疲れてるけど」

「大丈夫です」

海堂君を見てると思うが、粘りと体力は大事だ。

この程度でへこたれていられない。

部長は少し心配そうだったが、コートに入る様に言った。
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