長編

□強化合宿(?)2
1ページ/8ページ

翌日。

起きれば静芭がトレーニングしてるのが見えた。

え、なにあれ。

あんな狭い間隔でポール打ち、しかもボール三個って…!

って、手塚君も同じ事をやってるし。

あぁ、あれが出来るから手塚ゾーン出来るのか、納得納得。

「静芭、凄いな…」

正直、妬ましいほどに羨ましいよ、あんなに強くて。

でも、静芭の姿見てたら強いの納得なんだよね。

一番我武者羅だし。

才能もあっただろうけど、ランニングだってトレーニングだって頑張ってんだよねぇ。

陰口叩くうちのレギュラーに入れなかった子に見せてやりたいよ。

「さってと。私もトレーニングに行こうかな」

「あ、私も行くー」

「はいよ」

私はりっちゃんと一緒にコートに向かった。





朝食は、静芭は宣言通り立海へ。

昼御飯以降は青学と食べる約束してたから、多分うちは落ち着くかな。

静芭と一緒だった大石君は寝不足らしい。

「大石君、ソファーで寝たの?」

「いや、ベッドだけど」

「あ、手塚君がソファー?」

「の、筈だったんだけど。静芭さんが手塚にしがみついてねたから、手塚は静芭さんと一緒にベッド」

手塚君、ちょっとだけ同情する。

完全に異性として意識されてないな、コリャ。

「で、何で大石君は寝不足なの?」

「その…。好きな子と同じ部屋だから緊張しちゃって。ハハ…」

き、君はピュア過ぎるよ大石君!

手塚君を見てみれば、表情は変わらない。

寝不足って感じはない。

私が分からないだけかもだけど、好きな子と一緒に寝て平気なら大したタマだわ。

「静芭姉、一緒に飯を食うナリ」

「だから手塚!手塚ですって!」

「相変わらずお堅いのぅ。…昨日は手塚と寝たクセに」

「そりゃあ兄妹だし」

「手塚がいなければ、俺達の所だったらしいな」

「や、だって。ほら、前に」

「静芭姉上、い、今と昔では状況が違います!」

「真田先輩、敬語使わないで下さい、あとボリューム落として!」

「静芭姉!隣座ろうぜぃ」

「あ、うん、いいよ」

「じゃあその反対側は俺が座る」

「ジャッカルかよぃ!」

「俺だよ!」

「あぁ、もう。静かにしなさいっ!柳生さんと赤也君はいい子なのに。ほら、食べる準備して下さい!」

相変わらず賑やかだ。

確かにあれなら静芭はお姉さんだな。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ