長編
□璧たちよ、高く翔べ1
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生徒会長と、女子テニス部部長を引き継いだ。
早速忙しくなったが、右手が使えない。
パソコンは左手で何とかするが、サインだけはそうもいかない。
何とか右手で書いた。
痛みがないのは幸いだけど。
病院に行けば、全治1ヶ月の予定だったが、三週間に縮んだ。
思ったより、骨のくっつきが早いらしい。
みんなのおかげだ。
母さんは、晩御飯にカルシウムたっぷりの食事だし、乾先輩は特製乾汁を毎日くれる。
乾汁は飲みたくないが、私の為を思っているのだし、材料が勿体無いので已む無く飲んでいる。
…飲んだ後に、毎回屍みたいだと言われてるけれとも。
アリアは取り寄せたカルシウム剤を。
海堂君は自家製ヨーグルトをくれた。
河村先輩は、小魚の骨をフライにしてチップスみたいにしたお菓子。
大石先輩と不二先輩と桃城君は牛乳をくれる。
越前君は、毎日それだと飽きるだろうからと、ファンタをくれたり。
女子テニス部の先輩からは、カルシウム入りのお菓子。
毎日食べてるからか、主治医が驚愕する程の回復ぶりだ。
逆に骨が太く丈夫になるらしいから、完治した後は頑丈になる事だろう。
勿論、リハビリもしてる。
早くテニスしたいから。
「で、結局U-17の合宿に参加する事にしたのね」
小百合先生に指の報告ついでに合宿参加の報告すれば、微笑まれた。
「はい」
「良かったわ。強くなって帰ってらっしゃいな」
「頑張ります。不在の間、宜しくお願いします」
「任せなさい。私だって、顧問なのよ?」
「はい。では、失礼します」
職員室を出て、部活へ向かう。
ラケットは右手で振れなくても左手がある。
走り込みなら、全く影響はないし。
「さて。練習メニュー考えて、頑張ろう」
私は気合いを入れて部活に向かった。