青祓

□2.
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鍵を差し込むと、ガシャンと音をたてて扉が開らく。

目の前には、広く長い廊下と、デカデカしい扉がいくつもあった。



「すげぇ!」

「一年生の授業は1105号室です。こちらです」


驚きながらもついていくと、ひとつの扉の前で止まる。
―…緊張してきた、

今日は、メフィストは犬に変身し塾を見学するようだ。
心臓をドキドキさせながら、闘志を抱いてその扉を開けた。



―…汚ねぇ


「…奥村燐だ。よろしくな」

何なのだろうか…誰も挨拶を返さない。シンとした教室には、ザッと見て10人も生徒がいなかった。取りあえず…、と適当に席に着いた。


メフィストによると、ここにいる全員が祓魔師になるべく訓練生らしい。

周りを見渡すと、後ろの方にあの少女が座っていた。黒髪のショートカットと黒を主にした服装。



「お前、」


声をかけようと口を開くと、彼女は下に向いていた顔を上げ、瞳をこちらに向けてきた。

間違いない。

彼女の瞳は一度見たら忘れない。真っ黒で、しかし何処と無く紅いような…そんな瞳。何も感じ取ることが出来ない無の瞳だ。




「先生がいらしたようだ」


「はじめまして。講師の―…」


メフィストの言葉に、前を向いたそこには…




――…え?






 
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