小説

□写し出すマニキュア
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「おはよう、キバ君」

「おっ!おはよ、ヒナタ」

今日はオレとヒナタのデートの日

水族館に行く予定だ

夏という季節もあってかヒナタは
いつもは下ろしている髪の毛を結びお団子にしている

服装は白いサマーニットに下は夏らしいショートデニムを履き恥ずかしがりやのヒナタにしては珍しく露出が多い服装だろう

だが、何よりも目がいったのはヒナタの爪に塗られているマニキュアだった

ただ透明なだけで色もなにもついていないのだが夏の日差しを反射していて鏡のように輝いている







それにしても今日のヒナタの格好は攻めてきたな・・・。

ナマ足がたまらん(^q^)

とかなんとかキバが悶えていると

「どうしたの?キバ君」

「い、いや。なんでもねぇよ、
じゃあ行くか」

オレはヒナタの手をとって水族館へと向かった










        水族館





やはり平日なだけあって中はガラガラで空いている

「な、なんかあんまり人がいないね」

「そうだな、でも貸しきりみたいでテンション上がるぜ!」

「う、うん!」




オレ達は

イルカショー

ドーム型水槽

熱帯魚コーナー

と水族館の中を歩き回り

最後にデートスポットになっている〔クラネタリウム〕に入ることにした










入り口には黒いカーテンが掛かっておりカーテンをくぐると・・。




「わあっ!!キレイ」

「すげーな!」

色とりどりに光るたくさんのクラゲが闇の中を泳ぎ、まるでプラネタリウムのような幻想的な世界が広がっていた・・・。

「これ全部クラゲなんだよね?すごい・・・。」

ヒナタは今日会ってから一番の笑顔を見せた

オレはとても嬉しくて思わずヒナタにこんなことをお願いした

「な、なぁヒナタ」

「ん?なぁに、キバ君?」

「いやじゃなかったらよ、ここでキスしてもいいか?」


「う、うん。でも、誰も見てないよね?」


「あぁ見てないよ。しかもここ暗いから、カメラあっても映らねーだろ」

ヒナタは一瞬戸惑いを見せたがオレがそう言うと

顔を赤らめたまま小さくうなずき目を閉じる






オレはヒナタの肩を掴み

そっと触れるだけのキスをした・・・。















暗闇の中、光を反射した

透明なマニキュアだけが





二人の口づけを映し出していた












   


               おしまい♥
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