Eternal Friends
□05)早朝の彼女
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ホグワーツで最初に見た夢はホグワーツの中の夢だった。
知らない男の子と、城内を探検している夢。
綺麗な銀色の長い髪を持った少年だった。
なんだか、とてもなつかしい気がした。
掴み所のない空気は、兄のようでも弟のようでもあり、父親のようでもある。
常にそばにある存在とでもいったほうが早いかもしれない。
あのとぼけた校長に言ったら、愛だとでも返されそうだ。
「ねぇどこへ行くの?」
声は耳に聞こえてくるようでもあるし、頭に直接響くようでもある。
風に吹かれる木の葉のさざめきのように、ただ温かく優しい。
――秘密の探検だよ。
つられるように、笑った。
目が醒めた時、私は自分の杖をしっかりと握り締めていた。
ほのかに暖かで、なつかしい友人の香りがした。
* * *