Instrumental

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 言葉は武器だ。
 危険すぎる剣で他人も自分も傷つける諸刃の刃。

 言葉は怖い。
 使うだけ跳ねかえるものだから。

 だから、私はできるだけ使わない。
 呪文学はできるだけ正確に間違えるようにして、目立たないようにして。
 友達を作ると使わなければならないから、作らない。

「なんとか言ったらどうなのよ!」

 しゃべらないから気に入らない。
 そんな理由で苛められるけど、でもそれでも使うわけにはいかない。
 使ったら、私はきっと人間ではなくなってしまう。

 ふわりと何かが頭に乗った。
 小さな梟だ。
 羽根が目に覆い被さり、慰めてくれる。
 この子たちは何も言わなくても良い。
 全部、わかってくれてる。
 だから、私はあなたたちのためだけに歌うよ。

 シアワセの歌を。
 歓喜の歌を。



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