Tea Party
□Tea Party
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いつもの木漏れ日の差し込む小道を息せき切って走る。
自分の息づかいと、確かに息づく緑の空気をいっぱいに吸いこんで。
「先生先生せんせーぇ!」
「いらっしゃ…っ」
玄関口で待ちかまえている人の腕に思いっきり飛び込んだ。
「もうちょっと…控えめに飛びついてほしかったな…」
「今日は外でお茶会しますよっ」
そのままぐいぐいと彼の手を引く。
「今日はまた随分と積極的だね」
「友達を連れてきたんです」
ぴたりと足が止まるのにもかまわず渾身の力を込めて、引っ張る。
「先週ずっと風邪を引いて家の中に閉じこもっていたでしょう?」
「薬草にも詳しいらしいですから、きっと先生の風邪もすぐに良くなりますよっ」
私の走ってきた後をゆっくりと歩いてくる黒いローブを纏った人に大きく手を振る。
「あ、スネイプさん。
こっちこっちーっ」
振っていた腕ごと後ろから抱きすくめられ、硬直する。
「…まったく、貴方という人は…」
「せせせ先生!!??」
「いつの間に彼と知り合ったんだい?
…いや、彼に聞いた方が早いかな…」
「聞きたいのは我が輩の方だ。
この男と知っていれば、来なかったものを」
会って早々険悪な雰囲気を放つ二人に冷や汗を掻きつつ、私はこの状況をどうすれば打破できるかと必死に足りない頭を悩ませた。