Dear...

□はじめましてっ
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「…」
「…」


痛い沈黙。ああ、信じてないけど神様!
なぜいきなりポンっという可愛らしい効果音と共に小さな子供が現れるの。
そして何故この子供は泣きそうなんでしょう!!


「…大丈夫だよ」
「…?」
「あたしは君が怖がるような事は絶対にしないよ」


なるべく優しく言うと涙は引いたようで何とか一安心。


「おねえちゃんは、だれ?」
「あたしは梨桜だよ。君は?」
「マルコだよい」
「じゃあマルちゃんだね」
「よいっ」
「あのね、いつマルちゃんがお家に帰れるかあたしも分からないから、
それまで一緒なんだけど…。あたしと一緒で嫌じゃない?」
「マル、ここにいていいの?」


不安げな目がこちらを見る。こんな小さな子がここにいていいのなんて言うものなのか。
その事実に少し胸が痛んだ。


「当たり前!神様があたしにマルちゃんを引き合わせてくれたんだもの」
「かみさま?」
「そう!マルちゃんはあたしと一緒に居るの嫌?」
「いやじゃないよいっ!!」


必死に言ってくれるマルちゃんに頬の筋肉が自然と緩む。


「じゃあ今日からよろしくねっ!」
「おねがいします、よいっ!」


お互いにペコリと頭を下げると、マルちゃんのお腹がグゥっとなった。


「お昼ご飯食べよっか」
「おなかへったよい」
「あたしも減ったよいっ」
「あーまねした、よい!」


あたしがフフッと笑うとマルちゃんもクフッと笑った。
ああ、今日は良い日だなあなんて思った。色々驚きとか戸惑いとかあるけど、
マルちゃんと一緒なら乗り越えられる、そんな気がした。

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