Dear...

□新品の写真立て
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写真立てを買ってからマルちゃんの機嫌はすこぶる良い。今にもスキップしそうにも見える。そんなに欲しかったんだ。まあ写真立てにしては結構いい値がしたと思う。


「おねえちゃん!」
「ん?」
「あれなに!?」
「あれ?」


マルちゃんは空を指差していたから私も見上げてみた。すると一筋の雲があった。ん?…ああ、あれの事を言っているのね。


「あれは飛行機雲よ」
「ひこうきぐも?」
「マルちゃんのいた所には飛行機ないの?」
「ないよいっ!ひこうきぐもすごいよい!!」


ほんと小さい子って一つ一つの行動が可愛すぎる。マルちゃんは将来イケメンになりそうだし。いやーほんとマルちゃんの大人の姿が見てみたいもんだ。だけどその頃にはあたしはおばちゃんだけどね。


「小さい子の着目点は分かんないなあ」
「ちゃくもくてん、よい?」
「見る場所というか何というかー」
「マルはおねえちゃんをいっぱいみてるよい」
「あらまあ」
「うれしい?」
「すっごくうれしいっ」
「くふふ」


笑ってはいるもののお姉ちゃんは心配になりました。将来天然たらしになってない?大丈夫?まだ見ぬ(というか見ることのない)大人なマルちゃんよ。


「と、危ない通り過ぎるところだった!マルちゃんここでお買い物しよう?」
「ここよい?」
「うん。とりあえずマルちゃんのお洋服を買いに行きたいと思うであります!」
「らじゃー!」


あたしのくだらないギャグにも乗っかってくれる優しいマルちゃん。ああ、どうしよ。ほんとにもう全体的に可愛すぎるマルちゃんがいけないと、責任転換して気持ちを切り替え服を見る。


「どんなのが似合うのかなー(というか男の子のは全部似合いそう)」


もはや母バカか。


「おねえちゃん、マルこれにあう?」
「ん?いいね似合ってるっ!」
「へへんよい!」
「じゃあまずはそれをカゴに入れてくださーい」
「はーい、よい!」
「さっきの写真立てもそうだけど青い鳥さんが好きなの?」
「あおいとりさんすきよい!」
「そうなんだ。あとはなにが好きなの?」
「きいろとかむらさきもすきよい!」
「あー派手な色が好きなのね。じゃあ黄色と紫色の服も探そうねー」
「はーい、よい!」
「お買い物楽しいねっ」
「たのしいよい!」


小さい子の服を買うときがこんなに早く来るとは思わなかったけど見てるだけで楽しいと思ってる自分がいて、そっちの方が驚きだった。


「あ、黄色の服みつけた!」
「むらさきの服もみっけよい!」


ああ、やっぱり小さい子との買い物は楽しいな。

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