今を君と生きる。
□第2章 教団入団、初任務!1
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「ねえ、知ってる?
この教会で人が何人も消えてるんだって。」
「ここ、今は使われてないから、お金のない旅人がよく泊まるんだ。」
「そして朝になると、旅人の姿はなく、服だけが残っている。」
「呪われているんだよ。だって、ここ、2年前にも事故で…。」
仮想19世紀末
そこは、蒸気に紛れ
奇怪な事件が起こりはじめていた
その呪われている、という噂の教会を1人の女性ーモア・ヘッセ巡査が見上げていた。
「モア!ほ、ほんとに入るのか!?」
声をかけてきたのはチャールズ。モアと同じ警官である。
「町の人からこの教会について苦情が殺到しているの!人間が消えただのなんなの。」
「知ってる。呪われてんだろここ?」
「チャールズ…それが警官の台詞?」
ぶるぶると震えるチャールズにモアは呆れた。
「どうせ誰かが流したタチの悪いホラよ。調べれば分かるわ。この教会は呪われてなんかない!!」
強く言い切るモアにチャールズは「わ、わかったよ…」と渋々ついて来た。
「うわ、荒れ果ててるなぁ;」
「こんな所にホントに旅人が泊まったりするのかしら。」
2人が言ったように、教会は荒れ果てていて、ボロボロであった。
「ぎゃあ!」
「何!?」
突然叫んだチャールズにモアは振り向いた。
「あ、足に…。」
チャールズの足にいたのは1匹の太った猫。
「なんだ、猫よ。」
「え?」
モアは猫を足から離す。
するとー
バササササッ
「なんの音…」
見るとそこには大量のコウモリがこちらに迫って来ていた。
「うわ…わあああっ!」
コウモリに当たらないよう身をかがめていると、モアに向かっスッと真っ赤な手が向かって来た。
バササササッ
「はあっはあっ、だ、大丈夫かモア!?」
チャールズばモアを呼ぶが返事がない。
「モア!?」
そこには、モアの姿はなかった。
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